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新着情報

「地域創生論」の第七回講義が行われました。

授業関係
5月25日、(株)木村設計A・T社長木村清且氏を講師にお迎えして、「木質社会が地域の未来を拓く-創りあげられてきた物、これから創る物-」というテーマの講義が行われました。 木村氏は、約400年前の藩政時代に南部氏が花巻城に移築したとされる大手門から現代の花巻市総合花巻の歴史で見る建造物とその作りや見どころを解説した後、明治・大正期の花巻の街づくり(都市基盤整備)と旧菊池捍邸について紹介。

次いで宮澤賢治の世界観を織り交ぜながら、花巻市で創られてきた有形財、無形財の価値を社会で伝播するための「エコミュージアム構想」を壮大なスケールで語られた。エコミュージアム構想とは①エコロジー(自然)②エコノミー(経済)③エコール(教育)が融合化されたミュージアム(博物館)システムを地域に帰結させ、地域が自立して住民主体で運営を行うシステムのことである。

さらには、エコミュージアム構想を木村氏の専門とする木造新工法CLTを用いて具現化しようとする都市計画について、「シェア金沢」を事例にお話しいただいた。放置してしまえば失われていく都市の記憶をとどめながら、地域の活性化を実現するためには地元に密着した木質社会の実現が鍵であるという内容であった。

木村氏の講義は、花巻市の400年の時の流れを駆け上る時間軸と地理的広がりを意識した空間軸でテンポよく展開し、聴講生の関心を一気に惹きつけるものであった。次の時代の花巻に住む人たちに今の時代の何を残し、何を創るか考えてほしいと問題提起いただいたことが印象に残る講義だった。

次回は、6月1日(株)上町家守舎代表取締役の小友康広氏を講師にお迎えして、「リノベーションまちづくりについて」というテーマの講義を行います。