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第15回「地域創生の実現に向けてⅢ-次期県総合計画のコンセプト・幸福社会の実現は本当に地域創生を導くか?」と題しシンポジウムが行われました。

授業関係
 7月19日(木)、「地域創生論」最終回の第15回目は「地域創生の実現に向けてⅢ-次期県総合計画のコンセプト・幸福社会の実現は本当に地域創生を導くか?」と題しシンポジウム形式で行われました。パネリストとして岩手県副知事の千葉茂樹氏、花巻市長の上田東一氏、岩手日報社報道局次長の熊谷宏彰氏の三氏をお迎えし、コーディネーターを岡田秀二学長が務めました。

 今回のシンポジウムの狙いはどこにあるか。コーディネーターの岡田学長は次のように述べます。将来の姿を模索する地域にとって重要なのは、県や市町村の地域創生への考え方やその実現方法である。岩手県は2019年度からの次期総合計画を立てることにしており、その大事なコンセプトは「幸福社会」の実現であるとされる。確かにこのコンセプトは魅力的であるが、県民の生活実感と離れ、目標共有が出来ないということはないだろうか。このシンポジウムではこうした問題意識を軸に各パネリストから話題提供をいただき、これに対する意見交換を行うことで地域と地域創生の将来を模索し、その内容を地域創生に関する意見の一つとして計画担当の方々に届けられればとも考えている。

 こうしてシンポジウムでは各パネリストから個別報告がなされます。千葉副知事からは「『地域創生』の実現に向けて~岩手県のふるさと振興の取組~」として岩手県の「地域創生」の概略と実績、そして次期総合計画の狙いや考え方、方法等。上田花巻市長からは「地域創生の実現にむけて」と題して県の次期総合計画に関するコメントや花巻市の地方創生・地域創生政策の実績等。熊谷岩手日報報道部次長からは「地域創生の現場」というタイトルで、岩手県内における地方創生・地域創生に関してジャーナリストの立場からの見解など。

 それぞれの報告には、会場を代表する形で、岡田学長から質問が出されます。千葉氏には次期総合計画にある「第4次産業革命」の意味、「幸福」を指標として加えた背景、上田氏には花巻市の若者支援と高齢者ケアのバランス、そして熊谷氏には若者の地元定着ためのアイディア等々。それぞれの立場の地域創生の方向性はどこにあるのか、具体的な問題に即して語られていきます。

 限られた時間でしたが、改めて県や市の地域創生の考え、方向性とその課題を考える良い機会となりました。そしてまた、地域の価値を知りまた創造する人材の重要性と、大学という社会的存在との関連を意識するシンポジウムともなりました。