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第4回「地域創生論」が行われました

授業関係
 「昭和の日」の4月29日、本年度第4回目の公開講座「地域創生論」が行われました。今回はNHK盛岡放送局の大久保嘉二放送局長を講師に迎え「NHK盛岡放送局の地域視点」とのテーマでお話いただきました。
 現代社会に生きる私たちは、自らの生きる社会や人の生活の有り様について、その多くをテレビやラジオの放送番組による映像や音声や、発行される新聞や書籍などの出版物の活字などを通して知り、感じ、考え、そしてそれにより自らの生活を形作っている。とりわけラジオやテレビの電波に乗せて一時に広い地域の人たちに同一の内容を伝達できる放送という事業の影響力は大きい。私たちが健全な民主的社会の存在を前提とし、その未来を考えるというのであれば、放送事業の有り様というものについて無関心ではいられないであろう。
 一般的に放送は、放送事業者の経営形態により、国によって直接管理運営される国営放送、公共事業体により営利を目的とすることなく主として受信料等を財源として運営される公共放送、営利を目的とする私企業により広告料収入を財源として運営される民間放送の3形態に分類される。NHK、すなわち日本放送協会は、放送法に基づき設立された特殊法人であり、主に受信料によって経営される公共放送である。その最大の特徴は、人々の「命と暮らしを守る放送」が最重点であること、視聴率に(必ずしも)左右されないこと、公平、中立性を強く期待できるところ、また地域と地域、地域と全国、地域と世界をつなぐ全国的なネットワークを有するところにある。あまねく全国で受信でき、豊かでかつ良質な放送番組を作り、そのことにより公衆の文化水準の向上に寄与する。そこにNHKの目的があるといえる。
 現在、NHK盛岡放送局は、「防災・減災に役立つ」「岩手の魅力を伝える」の二つを旗印として、地域のためそして地域の未来のため、地域の身近な公共放送としてその役割を果たしている。授業では、NHKと公共放送の特徴、地域とのかかわり、これからの課題等について、豊富な映像資料を交え、丁寧にお話をしていただきました。
 授業後、これからの社会を創る若き学生たちにとって大切なことは何だとお考えでしょうかとの問いに対し、難しい質問ですねと言われながらも、「いろいろなことへの好奇心ではないでしょうか」と答えてくださったことが印象的でした。