文字サイズ
※翻訳が不十分な場合もございます。
ご了承下さい。

新着情報

第6回「地域創生論」が行われました

授業関係
 5月20日、地域創生論の第6回目の授業が行われました。今回は葛巻町から鈴木重男町長を講師としてお迎えし、「夢しか実現するものはない」というテーマで、葛巻町の地域創生への取り組みをお話しいただきました。
 葛巻町は北上高地の北部、盛岡市と久慈市との中間に位置し、その面積の86%を森林が占める人口約6000人の高原の町。美しい自然のなかで独自の豊かな文化を育みながら持続可能な成長を目指している。その特徴は、町のキャッチフレーズ「北緯40度 ミルクとワインとクリーンエネルギーの町」によく表れている。
 町の基幹産業は山村の力を形にした林業と酪農。林業では造林、伐採から木材の流通、加工まで、地場産材を利用した地域林業の確立を目指している。酪農は明治25年の乳牛導入に始まる。以来、先人たちの創意工夫と苦労を継ぎ130年。現在、牛数、牛乳生産量でも東北一の酪農の郷へ成長している。久慈市との境にある県立自然公園平庭岳の中腹には、日本最大規模と称される白樺林とレンゲツツジの群生地を有する平庭高原。そこに生える山ぶどうを商品化したのが「くずまきワイン」。この地の大切な特産品となっている。さらに山の頂きには風が吹いている。牧場では家畜の糞尿が出る。これを新エネルギーに転換できないか。新たな発想で風力発電とバイオガス発電を通し発電事業を開始する。現在、町の電力自給率は350%を超えるまでになった。未来に向けてクリーンエネルギーを活用した循環型酪農経営を目指している。そして人口減少対策においては、この地の自然と文化と人を大切にした堅実で落ち着きのある個性的な定住対策、医療・教育・居住そして福祉、また社会インフラ整備に係るさまざまな施策等が展開されている。
 SDGsが社会のさまざまな場面で語られるようになってきました。人が自然環境と共生しながら生きていく社会、山村の価値を都市のもつ価値と同等のものとして人々が認識する時代、こうしたことが現実のものとなる日は決して遠い将来のことではないのかもしれない。この日の鈴木町長のテーマは「夢しか実現するものはない」。このテーマに込めた思いとはどのようなものだったのだろう。アメリカ公民権運動の指導者キング博士の演説にある有名なフレーズ、「I have a dream.(私には夢がある)」を思い起しました。