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新着情報

遠藤ゼミ(専門演習Ⅰ/Ⅱ合同)で花巻市内の「木質バイオマス発電所」にフィールドワークしました。

授業関係
 5月18日(火)、遠藤元治教授ゼミの専門演習Ⅰ(3年生)・Ⅱ(4年生)の合同で、地産地消型の「㈱花巻バイオマスエナジー(木質バイオマス発電事業)と花巻バイオチップ㈱(燃料材供給事業)」(花巻市大畑)にフィールドワークを行いました(写真1)。

 この発電所は再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)の活用により、岩手県では4番目のFIT発電所で2017年2月運転開始の最新鋭木質バイオマス発電所です。
 現地到着後、㈱花巻バイオマスエナジー社の会議室で河合部長様から、事業全体およびこの発電所の特徴について説明を受けました(写真2)。
 この発電所はこの地域の松くい虫の被害木処理を引き受けて燃料として活用し地域の林業に貢献していることが特長で、その状況の紹介がありました。また一層の原料安定確保を目指し、土地造成時発生材(根っこ部)や河川支障木などの未利用資源の利用を計画しており設備増強中であることを紹介いただきました。
 その後、現場では、燃料木材のストックヤード、燃料チップ製造工程(固定式チッパーおよび昨年から装備された国内最大級の移動式チッパー設備)の実稼働見学(写真3)、ボイラー・タービン建屋等の見学(写真4)を行いました。送電規模は5400kwhで、花巻市の3.7万総世帯の約40%に当たる1.4万世帯分への供給分に相当します。その燃料木材消費量は年間7万t(丸太容積10万m3/年)で年間消費量の1/4の木材が発電所廻りに保管中であり、その眺めは圧巻でした。最後に今年から開始した余熱利用による「キクラゲ生産(菌床栽培)の温室」を見学(写真5)しました。
 経営体として持続性を保つことが大課題で、森林資源の保全までを視野に入れた経営を目指す該社の経営姿勢を現場で確認し環境教育の場ともなりました。
 
 学生からの感想は、
「バイオマス発電は初期投資がかかることを施設見学で納得出来た。」「廃熱利用で何故キクラゲ栽培なのかと思ったが林産物であり、食材として応用の巾が広いとのことである。理由を聞いて納得した。」「これまで使われていなかった根っこ部や枝葉等捨てられてしまっていた部分も利用しようとしている。事業として発電だけでなく環境にも目をむけていることがわかった。」「灰が廃棄物処理されているのはもったいないと思った。土壌改良剤としての使い道があるのなら、何らかの方法を見つけ、法の改正を試みることも必要と考える。」「余熱を利用しキクラゲを生産している。余熱を無駄にしないことは素晴らしいと思った。」「伐採した木をそのまま燃やすのかと思っていたが、木の中の水分を数か月から1年かけて乾燥させてから燃やすことで効率を上げているということがわかった。」「木は燃やすのは最後の最後で、紙や柱など様々な使い道がまずは優先であるという説明が印象に残った。」「自分たちが使っている電気料金の中身(違い)を知る事ができた。」「大規模な発電設備を初めて間近で見ることが出来て良かった。」「松枯れ材の利用を始め、森林を大事にする取り組みはとても有意義だと思った。」等々があり、現場・現物によるフィールドワークのよい機会となりました。


写真1


写真2


写真3


写真4


写真5