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第6回「地域活性化論」 『花巻市の地方創生と課題 -人口動態と第1期まち・しごと・創生総合戦略からの取組から―』が行われました

授業関係
第6回「地域活性化論」 『花巻市の地方創生と課題 -人口動態と第1期まち・しごと・創生総合戦略からの取組から―』が行われました。             

 11月4日、花巻市総合政策部秘書政策課企画調整係の吉田真彦主査を講師としてお迎えし、花巻市の「第1期 まち・ひと・しごと創生総合戦略」の取り組みについてのお話をいただきました。

 吉田主査は花巻市大迫町出身(花巻市育ち)。小学校の頃から地元に伝承される民俗芸能「大償神楽」の舞手として活動しています。神楽を大人になっても続けたいと考えており、そのためには大迫町を日常生活の移動圏内として働き続けることが必要と考え、その準備期間として大学へ進学。卒業後にUターンして市職員になったという、「花巻市でやりたいこと」から、人生設計を逆算してライフデザインを考えてきたとのお話でした。
 講義では、①人口減少を加速させる「若い女性人口」の減少と、②18歳~29歳の市外への流失にどう歯止めをかけるか、の二つの大きな課題に焦点を当てたものでした。第1期総合戦略には、4つの基本目標を掲げ、基本目標達成のための13の重点方針が設定されています。そして、その重点方針に基づく26の施策、重点方針に従って行う142の取組みと198の事業から成っているとの説明がありました。そして、上記の大課題の解決に向けた総合戦略に基づく活動の効果検証は、KGI(Key Goal Indicator:重要目標評価指標)とKPI(Key Performance Indicator: 重要業績評価指標)によって事業の成果を測定し、今後の課題についても明確にして、取り組みを行っているという解説がありました。
 後半は第1期総合戦略の成果と今後の課題及び課題解決の取組について、先行研究を踏まえたお話をいただきました。第1期総合戦略の成果は、花巻市への転入者数が転出者数を上回る「社会増」に転換したことであり、その理由は子育て世帯の移住の増加であることについて、総合戦略に基づく事業の成果と人口動態の変化を関連付けた解説がありました。
そして、冒頭で示した課題のうち、先行研究で行われた東北圏出身の若年女性へのアンケート調査の結果を検討しながら、女性人口の減少に歯止めをかけるには、「多様な雇用先と職場の創出」と「結婚・出産を望む女性のライフデザインに対応する環境の整備」が必要であり、これらの課題については第2期総合戦略に基づく取り組みにより、引き続きその課題解決を目指すとの事でした。
 最後に、「なぜ若者が転出するのか」、「Uターン者増加のためにどのような支援策が有効か」、これを分析する上で花巻市からの転出者の考えを知るためのデータが不足しており、それを得るためにどのような方法が考えられるか、現役大学生の意見を伺いたいという話があり、短い時間でしたが討議が行われました。レスポンスカードにはそれらに関する記載がありましたので吉田様には後日報告しています。
 
講義終了後は、地域連携推進センター主催の「地域活性化論研究会」を開催。吉田主査、市役所職員他1人、花巻青年会議所会員2人、本学教職員3人、学生2人の参加で、授業振り返り、情報交換、意見交換を行いました。