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新着情報

第10回「地域活性化論」 『福祉実験ユニット ヘラルボニー』と『芸術×農業×哲学 銀河の里』が行われました

授業関係
12月2日 ㈱ヘラルボニー代表取締役 松田文登副社長と社会福祉法人 銀河の里 宮澤健理事長を講師としてお迎えし、『地域を引っ張る産業と人材 福祉の新時代』のお話しをいただきました。

 松田さんは金ヶ崎町出身。「福祉実験ユニット㈱ヘラルボニー」を経営しています。松田さんには4つ上の自閉症のお兄さんがいます。このお兄さんに対する卑下や同情(「かわいそう」と呼ばれること)は幼い頃から松田さんを混乱させました。小学校4年生の時に「お兄ちゃんだって、同じ人間なんだ」の作文で賞をとりました。お兄さんの様な障害のある方々が偏見や誤解を受けないバリアーフリーな社会をつくりたいとプロジェクトを立ち上げました。それが、『異彩を、放て!!』をミッションに掲げる福祉実験ユニット ㈱ヘラルボニーです。知的障害のある作家とアートライセンス契約を結び、福祉を起点に新しい文化創造を目指しています。約100名のアーティスト(障害者)とアート作品使用料の契約を結び、2000点以上のアート作品アーカイブが全国の福祉施設から集結してます。北は岩手、南は沖縄、海外はボストンまで国内外の福祉施設、団体、個人と契約し、顧客の要望に応じたアート作品を世に提供しています。その美しい作品の数々の紹介がありました(インスタグラム満載の講義でした)。ファッション、インテリア、アートライセンスと事業は多岐にわたっています。身近なところでは花巻駅の駅舎窓ラッピング作品、東京パラリンピックの閉会式モチーフもヘラルボニー作品です。ファッション/ウオールアート/Cava?缶×アートなどでGOOD DESIGN AWARD 2021も受賞しています。『「障害」=「欠落」というイメージを変える必要がある!!』という理念を持つ若い起業家の熱情あるご講義は大変刺激的で示唆に富むものでした。

 講義後半は、トーンは激変しました。広島から花巻に移住し、『“誰かと共に生きること”、“地域を創り出すこと”、“何かひとつあなたにしかできないことを「銀河の里」で見つけてほしい”』を掲げ、地域・地元に張り付いた「高齢者福祉サービス事業」と「障がい者福祉サービス事業」の実現・実践をしている宮澤理事長のお話しでした。銀河の里は単なる社会福祉施設ではありません。銀河の里に集うこと、住まうこと、暮らすことが「芸術×農業×哲学」という宮澤理事長の美意識の体現となっています(集う皆で実践しています)。施設・事業の紹介と四季折々の暮らしの中での生活の様子を美しい映像で紹介していただきました。銀河の里では農福連携を行っています。「農業」が核です。「農業」が障がい者部門にとっては”就労“、”社会参加“、”自己表現“の場であり、高齢者部門にとっては”暮らし“、”生活“の場となっています。銀河の里のキーワードは、「農福連携」、「6次産業化」、「地域おこし」、「共生」、「当事者理解」、「臨床と共時性」、「弱さのちから」、「物語性」、「宗教性」、「死生学」、「哲学」、「臨床の知」です。沢山の映像でその具体例を紹介があり、学生はそれらをイメージしました。ラストは学生への瞑想実験で、土と人の香り満載の講義を終えられました。

 この第10回「地域活性化論」は『福祉の新時代』ということで企画しました。講師お二人のアプローチは全く異なるものですが、お二人に共通する通奏低音は同じです。学生にはそれが伝わりました(授業レスポンカードから)。

 授業終了後は、地域連携推進センター主催の「地域活性化論研究会」を開催。松田副社長、宮澤理事長、花巻市市役所職員2名、本学教職員3名、学生5名の参加で、授業振り返り・情報交換・意見交換を行いました。


左:岡田学長 中央:宮澤理事長 右:松田副社長

    
授業 松田副社長        授業 松田副社長        授業 宮澤理事長

  
授業 宮澤理事長        地域活性化論研究会