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新着情報

授業「宮沢賢治から考える」が今年も始まりました

授業関係
昨年度から開講した授業「宮沢賢治から考える」が今年度も4月11日(月)から始まりました。
花巻に生まれ、その生涯のほとんどを郷土花巻で過ごした国民的童話作家で詩人、農芸科学者、教育者である賢治さんを通して、人間の生き方に対する根源的なテーマを多様な観点から総合的に考察します。

※ただいまコロナウイルスの感染拡大防止のため一般公開を見合わせておりますが、状況を見て途中から一般公開する可能性があります。決まりましたらホームページ上でお知らせいたします。

昨年に引き続き第1回は、宮沢賢治記念館学芸員 牛崎敏哉氏に「『宮沢賢治から考える』視点」として基調講演をいただきました。
宮沢賢治さんについての簡単な紹介のあと、視点として以下の3点をお話されました。
①先見性
「グスコーブドリの伝記」
地球温暖化は近代になって取り上げられるようになった問題であるが、実は80年も前にこれを題材として(CO2で地球の気温を上げる)童話を書いている。当時、科学を童話にした非常に稀有な人であった。
「楢ノ木大学士の野宿」
白亜紀(温暖化)にさかのぼって雷竜などに出会う童話。当時は日本から恐竜の化石が発掘されるなどとは誰も思わなかったが、約半世紀後に岩手で発見された。

②宇宙的な感覚
生涯で岩手以外で暮らしたことがほとんどなかったが、地球的を超え宇宙的な感覚を持っていた。
「銀河鉄道の夜」
銀河系を列車が旅する。はくちょう座を出発点としてわし座、いて座、さそり座とだんだん明るい方(銀河の中心)へと走っていく。
「星めぐりの歌」
昨年の東京オリンピック閉会式で歌われた。

③平和への祈り
「農民芸術概論綱要」
世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない 
われらは世界のまことの幸福を索ねよう
賢治作品にある(本当の幸福)(まことのみんなの幸い)とは何か。

 

100年前の人である賢治さんが、今なお現代の事象に関連され語られることが多いのは、賢治さんのこれらの感覚や視点が大きくかかわっているとして、昨年の基調講演とは違った切り口で賢治さんを紹介してくださいました。
受講者には県外からの学生も多く、花巻ゆかりの宮沢賢治さんについての貴重な講演をいただき、学生は真剣に聞き入っていました。
この授業は前期4月から7月まで15回、講師が変わるオムニバス方式で実施します。

授業の詳細はこちら「宮沢賢治から考える」