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新着情報

第14回「地域創生論」 『いわては食材と食味の宝庫~県産品の販売を通して~』が行われました

授業関係
 7月14日の講義は、岩手県産株式会社営業部小売通販課次長の長澤由美子氏を講師としてお迎えし、地域資源を活用して加工販売につなげ地域経済の活性化に取り組んで来られた経緯や商品について紹介いただきました。

1. 岩手県産株式会社は、岩手県産品の販路拡大を通じて県内の産業振興に寄与することを目的として、昭和39年12月に設立された。地場産品の販路拡大を目的とした第三セクターとしては日本初で、今年創立59年目を迎えている。新幹線も高速道路網もなかった時代に、当初は県産品の物産展を全国のデパート等で開き、消費者に直接販売する方式で販売を伸ばし発展した。その後も時代を先取りする販売・商品開発戦略を展開(アンテナショップ、プライベートブランド等々)している経営学の実践紹介があった。

2. 岩手銀河プラザ:県産品販売のアンテナショップは現在全国で60程あるが、東京銀座に24年前に開いた岩手銀河プラザは草分け的な存在であり、年間35万人が訪れる。取り扱いメーカー330社、扱い品目は2700あり、最近では野菜や苗、この時期としては珍しいリンゴの販売も行っている。他に、九州の「みちのく夢プラザ」では、取り扱いメーカー610社で年間購買者68,000人、盛岡の「らら・いわて」では年間の購買者が69,360人となっている。

3. 販売ベスト商品:牛乳瓶に入った「生うに」や「さば和風マリネ」など三陸の海産物が売れ筋で、盛岡冷麺等三大麺やお菓子類も岩手の魅力発信食となっている。「生うに」の生産・開発関係者は、ブランド化を図って品質と生産の向上に取組み、販売数も着実に伸びている。郷土菓子として「南部せんべい」、県南の餅文化に因んだ「ずんだもち」なども人気がある。

4. いわてのお国自慢として、全国シェアトップクラスのわかめやアワビ、短角牛、漆やリンゴ、リンドウ、木炭やブロイラー等が挙げられる。これから発信したい「いわての食」としては、トラウトサーモン、ほや、山菜等がある。岩手県産㈱としては、こうしたいわての「食」を活かしたプライベートブランド作りを図り、全国認知度アップを目指した新商品開発に取り組んでいる。

 長澤氏は長年にわたり東京にある「いわて銀河プラザ」の店長を務められ、またヒット商品「サヴァ缶」の開発に携わった人物でもあり、最後の『大事なことは、県民の皆さんがおいしいと思っていただけるものを創り、それを全国に発信していくこと』という言葉が印象的でした。
 講師をお招きしての「地域創生論」講義は今回をもって終了となり、次回7月21日の最終講義は、『地域創生の実現に向けてⅦ』をテーマとしたシンポジウムを開催します。