文字サイズ
※翻訳が不十分な場合もございます。
ご了承下さい。

新着情報

遠藤ゼミ(専門演習Ⅰ/Ⅱ合同)が木質バイオマス熱利用施設「銀河の里」、「花巻市役所大迫総合支所」、「大迫保育所」をフィールドワークしました。

授業関係
 5月22日(火) 遠藤元治教授ゼミ専門演習Ⅰ(3年生)・Ⅱ(4年生)合同で市内幸田にある「社会福祉法人 融和会 銀河の里」の地域内エコシステム実践(燃料チップ・薪製造等と50kwチップボイラー利用)および岩手県で最も早い時期(2004年)に先導先進的にチップボイラーを導入した花巻市役所大迫総合支所200kwチップボイラー(暖冷房用)と大迫保育所100kwチップボイラー(床暖房用)をゼミ学生13名、教職員2名、県職員1名、木質バイオマスエネルギー専門家2名でフィールドワークしました(写真1)

写真1 集合写真(大迫保育所チップボイラー棟前)

 「銀河の里」と本学は「花巻市および周辺地域内エコシステムモデル構築事業地域協議会」の中核として木質バイオマスエネルギー熱利用を実現しました。銀河の里の原料ヤードにはNEXCO東日本の高速道路管理伐採木が搬入されています(銀河の里が購入)。これを原料とし、枝葉から消し炭(土壌改良材)つくり(写真2)と堆肥つくり(写真3)、小径木から燃料チップつくり(写真4)、大径木からは薪を製造しています。その現物を確認しました。次に温室の補助熱源の薪ボイラー、そして特養老人ホームの50kwチップボイラー(写真5)を見学しました。このチップボイラーはDIYで設置の工夫がなされました。銀河の里は農福連携(農業)を実践しており、それが無駄のない木質バイオマス利用につながっています。銀河の里の燃料チップは花巻市大迫総合支所のチップボイラーに2021年11月~2022年3月の間、供給されました。
写真2 銀河の里 原料ヤード 消し炭つくり 
写真3 銀河の里 原料ヤード 堆肥つくり 
写真4 銀河の里 燃料チップつくり 
写真5 銀河の里 チップボイラー

 続いて大迫に移動し支所の200kwチップボイラーを見学(写真6, 写真7)。このボイラーは2022年3月から故障のため運転を停止し運転再開の目処はたっていません。八幡平の岩手県森林学習館フォレストアイにも全く同じボイラーがありましたが故障多発のため、岩手県は2021年に国産チップボイラー(オヤマダエンジ製200kw)にリプレースしています。この支所ボイラーのリプレースは花巻市の行政課題であることを確認しました。次に大迫保育園に移動しオヤマダエンジ製100kwチップボイラー(このボイラーは岩手県工業技術センター/林業技術センター/オヤマダエンジの3者の共同開発。岩手型チップボイラーと云われいます。その第1号機。)を見学しました(写真1,写真8,写真9)。銀河の里の燃料チップは形状が細かく残念ながらこのボイラーでは利用できません(燃料搬送系が不適合。地域内エコ事業としてはオヤマダボイラーのシステム改良を望むものです)。それを確認しました。
写真6 大迫支所 ボイラー棟(奥) チップサイロ棟(手前) 
写真7 大迫支所チップボイラー 
写真8 大迫保育所 チップボイラー棟(左の建屋)  
写真9 大迫保育所 チップボイラー


今回のFWは一度に、規模、メーカー、利用・運用方法が異なる3つのボイラーを見学して、それぞれの特質、特徴を学びました。学生の感想には下記の様なものがありました。
・銀河の里の無駄のない資源活用は素晴らしい。勉強になりました。
・地域内エコシステムは地域内での資源循環、経済循環にすごくいい事が理解できた。
・木材(木質)は幅広い利用方法がある事が分かった。
・ボイラーの利用方法、燃料チップの性状、ボイラー規模等は施設によってそれぞれに違いがあることを学べた。
・木質チップは熱利用が適しているのに、その割合は僅か8%で、現状では92%が発電用に利用されている。これが不思議に思いました。
・チップボイラーの利用は自然環境への負担が軽めで、いい事だと思った。
・新鮮なチップの匂い、木の香りがして落ち着いた。
・燃料チップで暖房だけでなく冷房も出来るのは素晴らしいと思った。
・車中説明(木質バイオマスエネルギー専門家からの久慈バイオマスエネルギーの事例紹介。写真10)での社会に役立つシステムの考案、検討、そしてそれが事業化までに至ったのはすごくいいなと思いました。
写真10 車中説明 (久慈バイオマスエネルギー事例紹介)