フィールドワーク「森林の公益的機能と持続的な森林資源循環のしくみを学ぶ」を実施しました
2026.09.10
森林の「今」と「これから」を学ぶ――県民参加の森林づくり促進事業を実施しました
令和8年9月8日(火)、富士大学では「令和8年度 いわての森林づくり県民税 県民参加の森林づくり促進事業」の支援を受け、岩手県内の大学生等を対象としたフィールドワーク「森林の公益的機能と持続的な森林資源循環のしくみを学ぶ―岩手県沿岸部を事例として」を実施しました。
海邉健二教授の引率のもと、学生たちは大船渡市・住田町を訪問。木材加工、林野火災からの復興、植林、木質エネルギー利用など、森林に関わるさまざまな現場を実際に見て、聞いて、体験しました。
今回のテーマは、「森林資源をどう生み出し、守り、そして活かしていくのか」。一日の体験を通して、森林の持つさまざまな役割について考えました。
木から生まれる、新たな可能性――けせんプレカット協同組合
けせんプレカット協同組合では、原木が建築資材になるまでの加工工程や、木材の含水率の変化などを見学しました。
特に学生たちの関心を集めたのが、木材に含まれるセルロースからつくられるセルロースナノファイバー(CNF)です。
軽くて強いといった特徴を持つCNFは、将来的にさまざまな分野での活用が期待されています。「真夏でも溶けにくいCNFを加えたアイスクリーム」など、身近なものへの活用も想像しながら、その可能性について学びました。
普段何気なく目にしている「木」から、新しい素材や価値が生まれていることを知り、森林資源の奥深さに触れました。
森林が失われる現実――大船渡市役所
大船渡市役所では、令和7年度に発生した大規模林野火災について、被害状況や復興に向けた取り組みを学びました。
普段は身近に感じにくい森林災害が、地域の暮らしや環境にも大きな影響が生じることを知った学生たち。「森林を守る」とはどういうことなのかを、実際の被害や復興の取り組みを通して考える機会となりました。
「守る」だけではなく、「つくる」――熊ノ入地区で植林
大船渡市熊ノ入地区では、青葉組の皆さまにご協力いただき、コンテナ苗の植林を体験しました。
斜度のある山での作業に戸惑いながらも、専用の道具を使うことで効率よく植林できることを体験。林業の現場を支える技術や工夫にも触れました。
また、森林が持つ水源涵養機能(すいげんかんようきのう)について学び、森林の土壌が雨水を蓄え、地域の水環境を支えていることを実感。
さらに、皆伐跡地と植林された場所を見比べながら、人工林は自然に任せるだけではなく、人が山に入り、適切に手入れすることで健全に育っていくことも学びました。
自分たちの手で木を植えたことで、森林を育て、未来の世代へつないでいくことの大切さをより身近に感じる時間となりました。
森林資源を「活かす」――大船渡温泉
活動の最後には大船渡温泉を訪れ、製材端材を燃料として利用する木質バイオマスボイラーを見学しました。
けせんプレカット協同組合の製材工程から出る端材が、温泉のシャワーなどを加温するエネルギーとして利用されています。
「捨てる」のではなく、地域の中で資源として活かしていく――。木材が建築資材だけでなくエネルギーとしても利用されていることを知り、森林資源の循環について考えました。
森林を「育てる」ことから「活かす」ことまで
今回のフィールドワークでは、「木を育てる」「木を材として使う」「木をエネルギーとして使う」という森林資源の循環を、さまざまな現場で学びました。
森林は、私たちの暮らしを支える資源であるだけでなく、水を育み、地域の環境を守り、新たな価値やエネルギーを生み出す存在でもあります。
一日を通して森林の「今」と「これから」に触れた学生たち。今回の体験が、森林や地域の未来について考えるきっかけになればと思います。
富士大学ではこれからも、地域の皆さまのご協力をいただきながら、様々な現場での実践的な学びの機会を提供し、地域の未来に貢献することを目指しています。
今回の活動にご協力いただきました、けせんプレカット協同組合様、大船渡市役所様、青葉組様、大船渡温泉様をはじめ今回の活動に御協力いただきました皆さまに、心より御礼申し上げます。






