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新着情報

第4回「地域創生論」NHK盛岡放送局の大久保嘉二放送局長を講師に迎えて

授業関係
 時代が「平成」から「令和」へと改まり最初の「地域創生論」となった5月2日、第4回目の「地域創生論」が行われました。今回は「NHKは地域の魅力を発信します」というテーマでNHK盛岡放送局の大久保嘉二放送局長を講師にお迎えし、お話をしていただきました。
大久保氏は盛岡に赴任されて2年目。赴任前はNHK報道局専任局長を務めておられました。NHK入局以来、主に報道畑を歩んでこられ、多くを医療・文化・科学関係の記者として活躍され、脳死、白血病、松本サリン事件、東日本大震災、東北電力福島原発事故とメルトダウンなどの社会問題の取材や報道に携わられたようです。
NHKにとって地方放送とは何か。「全国向けの番組のほか、地域向けの放送番組を有するようにすること」、「過去の優れた文化の保存並びに新たな文化の育成及び普及に役立つようにすること」、「多様な地域社会への貢献」。大久保氏は放送法の規定、NHKの経営計画をもとにNHKが地域放送と文化の保存と育成の使命を有することを示されます。そして、明治大学小田切徳美教授の「農山村で進む4つの空洞化」理論を紹介され、地域の「誇り」の空洞化に抗うことがNHKの地域放送の役割ではなかろうかとされました。
授業のなかでは盛岡放送局が制作した番組から2つの映像を実際に視聴しました。それは、室根町の郷土芸能を継承する若者たち、二戸市浄法寺町の85歳の豆腐屋を営む婦人、を取材したものです。地域に根ざした名も無き人々の生活と文化のなかにこそ人間存在の根源的要素がある。そうした思いが伝わってくる映像作品でした。大久保氏のお話には、社会正義を問うジャーナリストの目と地域と文化に対する深い愛情が感じられます。授業の最後には受講者との間で、引用符の用い方や見やすい画面のための工夫など、活発に意見交換がなされました。
次回は5月9日は、「日本酒は地域を元気にし、世界を巡る」というテーマで㈱南部美人社長の久慈浩介氏を講師にお迎えします。