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新着情報

第9回「地域創生論」株式会社アイオー精密社長の鬼柳一宏氏を講師に迎えて

授業関係
 6月6日、「地域創生論」第9回目の授業が株式会社アイオー精密社長の鬼柳一宏氏を講師にお迎えして行われました。テーマは「花巻発!『未来デジタルものづくり』への挑戦」。新しい仕事というのはこれまでの枠を破るところから始まる。若き社長である鬼柳氏のお話からそんな思いが強く伝わってきます。それは、地域の将来を考える私たちに勇気と希望を与えるものでもありました。
1977年に花巻市で設立された株式会社アイオー精密。産業用ロボット向け精密部品加工を事業内容とする。鬼柳氏は2017年より社長を務めています。現在、従業員は555名。受託型加工業として日本最大級の規模を誇り、岩手・神戸を中心に日本・アジアをカバーする生産体制を有する。取引先は世界に広がり、欧州ドイツの世界的自動車メーカーからも直接受注している。
「変種変量・超短納期生産」「社内一貫生産体制」「ITの積極的活用」。発想の転換と弛まぬ努力そして技術革新。アイオー精密は、ITと物流インフラをフル活用すれば、地方のものづくり企業でも生産性改革によって世界と戦えることを証明しました。鬼柳社長は、その経験を地域と社会の未来に役立てたいと語ります。地域創生の切り札は「ものづくり+IT」、つまり「未来デジタルものづくり」はその表現といえます。
授業ではここから、その地域創生のためのヴィジョンが展開されていきます。マザー工場機能を持つ製造業の立地、物流インフラ、情報インフラの高度化、脱地産地消(全国展開、海外進出、人材受入他)、そして産学官と地域が一体となった人材づくり。将来この地域を世界に通用する企業の集積地にという鬼柳社長のお話は、萎縮しがちな我々の思考に大きな刺激を与えてくれます。
 授業後半の質疑の時間にはゼミで経営学を学ぶ学生や市民の方々から、人材確保の取組、今後の海外進出のプラン、生産管理の工夫、競争力を維持するための努力、ものづくりにおける日本人の強み、創業者のこと、他企業との連携等々、活発な意見交換がなされました。
次回6月13日(木)の「地域創生論」は、東京大学名誉教授の渡邉俊樹氏を講師に迎え「病気と地域生活の未来」とのテーマで行います。