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遠藤教授が花巻市主催「スモール・フォレスト・カレッジ 2020」で講演しました。

イベント
 令和2年12月5日(土)、花巻JAセンター2階会議室で開催された花巻市主催「スモール・フォレスト・カレッジ 2020」の修了式で遠藤元治教授(経済学科)が講演しました。

 このカレッジは6月から12月の半年をかけ、週末に延べ12回の講習会により、前期はチェーンソーや手道具を使った伐木や造材作業の実践、後期は個別講習(作業道敷設、伐木、樹種選別、林産物活用等)が行われたものです。本カレッジを修了することで、里山の手入れや活用などに役立つ一通りの林業作業を学べるものです(添付チラシ参照。主催/共催/後援は記載の通り)。

 演題は「日本の森林・林業を活用した(花巻・北上エリア)の活性化」で講演が行われました。今期のカレッジの受講生は20名。例年この修了式講演は公開で一般市民も聴講が可能でしたが、今回は新型コロナ禍を考慮し、受講修了生および主催者等の関係者のみの聴講となり、会場も「まなび学園」から「花巻JAセンター」に変更しての開催となりました。
 
 講演の前半は、「森林って何(その定義)?」、「森と林ってどう違うの?」、「ポツンと一軒家はなぜ人気番組になったの?」、「白神山地は何が凄いの?」、「世界4大文明はなぜ消滅したのか(森林との関係)?」、「桃太郎のおじいさんは山に何をしに行ったの?」、「なぜ徳川家康は江戸に幕府をひらいたのか(森林資源との関係)?」、「日本の森林が果たしている機能って何(酸素供給量、炭素固定量、多面的機能)?」等々、聴講者が普段はっきり認識していない情報の提供や解説がありました。次に、岩手県の林業・木材産業の現状、素晴らしい木造建造物の紹介(住田町庁舎、紫波町庁舎、陸前高田市立東中学校、国際教養大学図書館、南陽市文化会館)。そして後半は、「岩手県内の木質バイオマスエネルギー利用事例」および富士大学がコーディネーター役となって進めている「花巻市および周辺地域内エコシステムモデル構築事業」について紹介がありました。

 講演後の質疑応答では、「地域内エコシステムに提供できるような未利用材は実際に有る(屋敷林、河川流木、街路樹、果樹剪定枝等々)。それを有効利用する様な仕組みを是非考えて欲しい。」、「日本の森林蓄積量は増加しているが、燃料として使えばあっという間に消滅。エネルギー利用は過度には期待できないことがわかった。」、「災害防止、減災用の樹木管理はこれからますます重要になってくる。率先して対応すべき。」、「木造建築物の価値は高い。公共建築物(検討中の花巻市新図書館)などは木造化すべき。」などがありました。