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『2050 カーボンニュートラル成長戦略とは ~炭素吸収源の森林/地域内の持久力で暮らしを創る~』の講演とシンポジウムを行いました。

授業関係
2022年4月30日、市内稗貫教育会館で「森林とくらしを考える花巻市民の会」主催の講演会で本学の岡田学長、遠藤教授、滝沢非常勤講師(岩手大学農学部特別助教)が講演とシンポジウムを行いました。

この講演会は、森林の役割を見直し、暮らしの中に森林の整備と木質利用を進めようと2013年から開催されています。今年は約30名の来場がありました(遠藤ゼミの学生2名参加)(写真1)。

梅津神一郎会長の挨拶に続き、岡田学長が『カーボンニュートラルからの地域創生』と題する基調講演を行いました(写真2)。まず、カーボンニュートラルとは何か、その背景、政府宣言内容の解説の後、この宣言・政策のムーブメントが地域に創生をもたらす、これをチャンスに主体的地域創生をはじめよう!と呼びかけました。「日本の二酸化炭素の排出の6割は衣食住を中心とする国民のライフスタイルに起因している。」「(削減するためには)国民一人ひとりのアクションが不可欠。」、「木質バイオマの更なる利用の時代が来る。石油依存度を下げられる木質利用(産業の育成)は重要」等々の力説がありました。

続いて、滝沢講師は、市民の会向けに、自身のドイツ留学体験からの美しい映像資料で「ドイツにおける森林・林業・環境の紹介」を日本との比較を交えながら解説しました(写真3)。ドイツと日本の森の違い、森林管理の仕組みの違い、林業労働者の現状(教育や雇用等)、ドイツ林業の近年の動向、環境対策と林業の関係など普段は聞けない内容が満載の講演でした。

次に遠藤教授が本学が中心で取組んでいる木質バイオマス熱利用(森林の地域内での持続的地産地消で地域経済活性化を目指す)「花巻市および周辺地域内エコシステムモデル構築事業」の紹介を行いました(写真4)。市内幸田の社会福祉法人「銀河の里」はNEXCO東日本と連携し高速道路管理伐採木からの燃料チップ製造を開始し、花巻市役所大迫総合支所および銀河の里自前導入チップボイラーへの燃料供給を実現。またその他、富士大学学生寮、市内社会福祉法人大谷会施設、水耕栽培農場、まちなかリノベーション施設等へのチップボイラー適用調査状況やその可能性が紹介されました。

その後は岡田学長の司会によるシンポジウムとなり(写真5)、まず花巻での森林利用と

学長が専門とする国の諸政策との関りが討議されました。公共建築物木質化や地球温暖化対策推進法の脱炭素の導入目標設定義務化は政策として明記されています。新設検討中の市立図書館の木造化は熱心に討議されました。また、ドイツでは地域過疎化や林業労働者確保の問題はないのか。ドイツの環境政策と林業の関連はどうであるか等々、講演に関係した広範な課題や話題を約1時間討論討議し、シンポジウムは終了となりました。

参考:『岩手日日新聞』2022.5.1と『岩手日報新聞』2022.5.2に関係記事が掲載されています(日報には参加した経済学部4年の細越太陽さんのインタビューが載りました)。



写真1


写真2


写真3


写真4


写真5