第12回「地域活性化論」 『まちが大きな家族だったら』と『反活性化論(鎮静化論)』が行われました
授業関係
12月5日(木)、一般社団法人COCO-ARUBA理事 照井智子氏と社会福祉法人悠和会銀河の里 宮澤健理事長を講師としてお迎えし、『地域を引っ張る産業と人材 福祉の新展開』のお話をいただきました。
照井さんは、花巻市のまちなかの商家(お花屋さん)生まれの生粋の花巻人。3人きょうだいの長女、四世代同居の大家族の中で育ちました。「まちに暮らす誰もが、それぞれにとって居心地のいい「場」をつくりたい! 福祉の隙間に落っこちちゃった人のために、起業する!!」と決断した妹さん(COCO-ARUBA代表 髙橋早苗氏)とタッグを組んで、幅広く活動されています。キーワードは、「場(バ)」の創造。サポートスペースの「ココ・アルバ(有る場)」では、相談支援事業/指定特定相談支援事業(老・児)を、多機能型事業所の「ココ・ミガクバ(磨く場)」では、就労移行支援/自立訓練(生活訓練)/就労継続支援B型を経営されていいます。そして、活動創造空間の「ココ・イルバ(居る場)」では、ワークショップ/レンタルスペースを、「ココ・タベルバ(食べる場)ラパン」では、ランチ/喫茶/お弁当を提供。さらに、とりあえずの「ココ・クレバ(来れば)」ではコミュニティ食堂を、ディサービスセンターの「ココ・エルバ(得る場)」では、地域密着型通所介護事業/総合事業(通所介護)を展開し、文字通り町中での事業をしています。照井さんがここまで来るに至った学びの経験(リノベーションスクール@花巻、花巻信用金庫 起業家塾/東北大学地域イノベーションプロデューサー塾等々)の紹介がありました。続いて各事業につき概要を説明してもらいました。照井さんは、各事業において、まちなか育ちの感性、視点、洞察力で立ち向かっています。利用者と職員が大きな家族の様になって展開されている事業の説明を聴き感銘を受けた学生が大多数でした。「困りごとを持っている人は、自分が何に困っているかを知らない時がある」、「自分が苦手なこと=誰かの得意なこと」という言葉は多くの学生の心に響きました。
講義後半は、トーンは一変しました。広島から花巻に移住し、『“誰かと共に生きること”、“地域を創り出すこと”、“何かひとつあなたにしかできないことを「銀河の里」で見つけてほしい”』を掲げ、地域・地元に張り付いた「高齢者福祉サービス事業」と「障がい者福祉サービス事業」を実現・実践されている宮澤理事長のお話でした。まずドローンの空撮で美しい銀河の里の風景と各施設・事業の紹介がありました。続いて「ワードウオッチング」という言葉の連想で各個人が根底で大事にしているものは何かを発見し、自分を見つめ直す演習を行ないました。「このワークシートが皆さんへの贈り物」との通り、自分の見直しができたという学生が多数でました。次に講義に入り、宮澤理事長の持論は「活性化してはならない。むしろ沈静化が必要」です。そのお考えにつきレジュメでいろいろな解説がありました。普段の授業では学べない内容で含蓄に富む(学生に吟味を迫るものばかり)ものでした。学ぶべき視点として、「たろし滝の氷柱の儀式に込められた知恵」を教材に「命の縦軸と横軸」の話があり、現代は横軸(現時点中心の経済・社会活動)に偏重し過ぎ、縦軸(生命の連綿)とのバランスの回復が必要であるという教示がありました。銀河の里は、単なる社会福祉施設ではありません。集うこと、住まうこと、暮らすことが「芸術×農業×哲学」という宮澤理事長の美意識の体現となっています。集う皆でそれを実践しています。四季折々の美しい風景と暮らしの中でのたくさん笑顔と事業実践の映像の紹介で授業は終了しました。
講義終了後は、授業振り返り、情報交換、意見交換の地域活性化論研究会を行いました。
学生のレスポンスカードには、
・鎮静化も必要だと考えさせられた。違う視点での考え方で勉強になった。(多数)
・縦軸と横軸で考えたり行動することが少なかった。内面の活性化の大切さがわかった。
・地域に住む人たちがよりよく生活することが地域の活性化につながるのかなと思った。
・同じ福祉でもアプローチの違いはあるが、福祉の在り方、人のつながりの大切さを学べた。
・自分が苦手なこと=誰かの得意なこと、この言葉が響いた(超多数)。
・花巻に心の安らぎの場があることに驚いたけど嬉しいと思った。
・二つの団体の共通点は、他愛のない日常や人とのかかわりを大切にしている。楽しく居られることが一番大事である、と思うことができた。
・ココ・アルバの活動は素敵だと感じた。どの活動も無理があるものでなくて、ちょっとだけでも今までと変わるっていうのが素敵だと思う。
・鎮静化というよりは穏やかな活性化を目指し、持続可能な社会を形成していくことが重要と感じた。
・縦軸や横軸で人生や世界を考えたことがなかった。こういう考えもあるのだと知ることができた。(中略)銀河の里のスライド写真に本当に感動した。
・反活性化の考え方は、日本の地方の過疎化で維持もままならない田舎においては当てはまらないと思った。
・自分の内面の縦軸を大切にしていこうと思った。
・沢山の写真を見て、人間として生きているという風に感じた。これが「浸透性」なのかと思った。
・福祉の世界は奥深いものだと感じた。
・人と人とのつながりを深めることも活性化のひとつだと感じた。
・常識が180度回転し、自分の常識は狭い世界であったと痛感した。
・銀河の里の写真を見て、職員が優しい方々なんだと思えました。すごく魅力ある職だと思った。
・お二人の活動は共通しているものがあると感じた。同じ方向を目指す者同士が集まると、それなりに強い集団になると感じた。人と人とのつながりが絶対に必要で、互いに高め合える仲間いるかいないかで大きく変わってくると考える。
などがありました。
写真1 左から 岡田学長、照井理事、宮澤理事長
写真2 授業風景 照井理事
写真3 授業風景 宮澤理事長
写真4 授業風景
写真5 質疑応答
照井さんは、花巻市のまちなかの商家(お花屋さん)生まれの生粋の花巻人。3人きょうだいの長女、四世代同居の大家族の中で育ちました。「まちに暮らす誰もが、それぞれにとって居心地のいい「場」をつくりたい! 福祉の隙間に落っこちちゃった人のために、起業する!!」と決断した妹さん(COCO-ARUBA代表 髙橋早苗氏)とタッグを組んで、幅広く活動されています。キーワードは、「場(バ)」の創造。サポートスペースの「ココ・アルバ(有る場)」では、相談支援事業/指定特定相談支援事業(老・児)を、多機能型事業所の「ココ・ミガクバ(磨く場)」では、就労移行支援/自立訓練(生活訓練)/就労継続支援B型を経営されていいます。そして、活動創造空間の「ココ・イルバ(居る場)」では、ワークショップ/レンタルスペースを、「ココ・タベルバ(食べる場)ラパン」では、ランチ/喫茶/お弁当を提供。さらに、とりあえずの「ココ・クレバ(来れば)」ではコミュニティ食堂を、ディサービスセンターの「ココ・エルバ(得る場)」では、地域密着型通所介護事業/総合事業(通所介護)を展開し、文字通り町中での事業をしています。照井さんがここまで来るに至った学びの経験(リノベーションスクール@花巻、花巻信用金庫 起業家塾/東北大学地域イノベーションプロデューサー塾等々)の紹介がありました。続いて各事業につき概要を説明してもらいました。照井さんは、各事業において、まちなか育ちの感性、視点、洞察力で立ち向かっています。利用者と職員が大きな家族の様になって展開されている事業の説明を聴き感銘を受けた学生が大多数でした。「困りごとを持っている人は、自分が何に困っているかを知らない時がある」、「自分が苦手なこと=誰かの得意なこと」という言葉は多くの学生の心に響きました。
講義後半は、トーンは一変しました。広島から花巻に移住し、『“誰かと共に生きること”、“地域を創り出すこと”、“何かひとつあなたにしかできないことを「銀河の里」で見つけてほしい”』を掲げ、地域・地元に張り付いた「高齢者福祉サービス事業」と「障がい者福祉サービス事業」を実現・実践されている宮澤理事長のお話でした。まずドローンの空撮で美しい銀河の里の風景と各施設・事業の紹介がありました。続いて「ワードウオッチング」という言葉の連想で各個人が根底で大事にしているものは何かを発見し、自分を見つめ直す演習を行ないました。「このワークシートが皆さんへの贈り物」との通り、自分の見直しができたという学生が多数でました。次に講義に入り、宮澤理事長の持論は「活性化してはならない。むしろ沈静化が必要」です。そのお考えにつきレジュメでいろいろな解説がありました。普段の授業では学べない内容で含蓄に富む(学生に吟味を迫るものばかり)ものでした。学ぶべき視点として、「たろし滝の氷柱の儀式に込められた知恵」を教材に「命の縦軸と横軸」の話があり、現代は横軸(現時点中心の経済・社会活動)に偏重し過ぎ、縦軸(生命の連綿)とのバランスの回復が必要であるという教示がありました。銀河の里は、単なる社会福祉施設ではありません。集うこと、住まうこと、暮らすことが「芸術×農業×哲学」という宮澤理事長の美意識の体現となっています。集う皆でそれを実践しています。四季折々の美しい風景と暮らしの中でのたくさん笑顔と事業実践の映像の紹介で授業は終了しました。
講義終了後は、授業振り返り、情報交換、意見交換の地域活性化論研究会を行いました。
学生のレスポンスカードには、
・鎮静化も必要だと考えさせられた。違う視点での考え方で勉強になった。(多数)
・縦軸と横軸で考えたり行動することが少なかった。内面の活性化の大切さがわかった。
・地域に住む人たちがよりよく生活することが地域の活性化につながるのかなと思った。
・同じ福祉でもアプローチの違いはあるが、福祉の在り方、人のつながりの大切さを学べた。
・自分が苦手なこと=誰かの得意なこと、この言葉が響いた(超多数)。
・花巻に心の安らぎの場があることに驚いたけど嬉しいと思った。
・二つの団体の共通点は、他愛のない日常や人とのかかわりを大切にしている。楽しく居られることが一番大事である、と思うことができた。
・ココ・アルバの活動は素敵だと感じた。どの活動も無理があるものでなくて、ちょっとだけでも今までと変わるっていうのが素敵だと思う。
・鎮静化というよりは穏やかな活性化を目指し、持続可能な社会を形成していくことが重要と感じた。
・縦軸や横軸で人生や世界を考えたことがなかった。こういう考えもあるのだと知ることができた。(中略)銀河の里のスライド写真に本当に感動した。
・反活性化の考え方は、日本の地方の過疎化で維持もままならない田舎においては当てはまらないと思った。
・自分の内面の縦軸を大切にしていこうと思った。
・沢山の写真を見て、人間として生きているという風に感じた。これが「浸透性」なのかと思った。
・福祉の世界は奥深いものだと感じた。
・人と人とのつながりを深めることも活性化のひとつだと感じた。
・常識が180度回転し、自分の常識は狭い世界であったと痛感した。
・銀河の里の写真を見て、職員が優しい方々なんだと思えました。すごく魅力ある職だと思った。
・お二人の活動は共通しているものがあると感じた。同じ方向を目指す者同士が集まると、それなりに強い集団になると感じた。人と人とのつながりが絶対に必要で、互いに高め合える仲間いるかいないかで大きく変わってくると考える。
などがありました。
写真1 左から 岡田学長、照井理事、宮澤理事長
写真2 授業風景 照井理事
写真3 授業風景 宮澤理事長
写真4 授業風景
写真5 質疑応答