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第13回「地域活性化論」 地域を引っ張る産業と人材⑦「地域おこし協力隊の活動」が行われました

授業関係
12月12日(木)は、花巻市地域振興部定住推進課主査の和田ゆりえ氏、現役地域おこし協力隊隊員の内田祐貴氏、赤津有美氏、平川優氏、宮川裕輔氏、柏谷恵氏を講師としてお迎えし各人の取り組みにつきお話をいただきました。全国各地から人生の選択として花巻を選好して移住して来た方々の講義でした。学生には新鮮であり真摯な面持ちで聴き入っていました。概要は以下の通りです。

はじめに和田主査から地域おこし協力隊の制度の説明がありました。地域おこし協力隊とは、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を異動し(移住し)、地方公共団体が「地域おこし協力隊員」として委嘱するものです。地域に移住して地域の紹介、地場産品の開発・販売・PR、農林水産業への従事などの「地域協力活動」を行っています。委嘱期間は最長3年間。その後には花巻への定住が期待されています。花巻市の活用の特徴について紹介がありました

次に協力隊の皆さんから取組みの報告をいただきました。

【内田隊員】
花巻市出身で、大学3年生(2015年)の時に花巻を盛り上げたいと活動を開始、一旦東京での修行(住民票は東京)後、2021年に隊員としてUターンしました。2016年から「イーハトーブまち塾」を立ち上げ、高校生を集めてフィールドワークやワークショップを継続していましたが、その活動を2023年からNPO法人化(ハナレヤ)しました。まず「地域活性化とは何?」の問いかけがあり、地域活性化は広範ですぐ身近にあるとの教示でした。様々な活動の紹介があり、最後はまずは一歩を一緒に始めてみませんかと学生に呼びかけました。

【赤津隊員】
福岡出身。活動3年目、「成島和紙を次世代に。ノリウツギ100年プロジェクト」を掲げ、伝統工芸の「成島和紙」づくりに取り組んでいます。紙漉きを修行しながら、和紙で様々なブランドを立ち上げています。作品には和紙ランプシェードや折り染め等があり、作品は地域イベントや講座で販売しています。様々な修行や活動の紹介がありました。主要原料のノリウツギは伐り続けるだけではいずれ絶滅する!!栽培が必要!!ということで、その栽培も開始しました。夢の自己実現に向けた精力的な活動の展開に多くの学生が感嘆しました。

【平川隊員】
神奈川県厚木市から花巻へ。活動テーマは「伝統工芸分野におけるシティプロモーション」です。大学院の専攻は音楽学、ヴァイオリン演奏、卒業後は音楽教室の講師、演奏でした。音楽は瞬時に消えてしまう瞬間芸術だが、消えない(目に見える形で残る)芸術に携わる仕事がしたい!!それが伝統工芸品。花巻のそれである「さき織り」に注目。さき織りの魅力を発信することでの地域おこし(シティプロモーション)に取り組んでいます。

【宮川隊員】
昨年3月に愛知県から移住。大迫の花巻市葡萄が岡農業研究所でぶどう栽培技術を学び、新規就農をテーマに活動中。大迫地域ではブドウ農家の後継者が不足しています。今年は更に4人の新隊員がブドウ農家継承に着任しています。宮川隊員の1年間の活動の紹介がありました。3月の剪定補助作業から9月~10月の収穫・選果・出荷作業までの一通りを経験し、ぶどうの樹の変化の観察の重要性を実感し、手間をかける事で立派な果実が実る!!を実感、感動したそうです。地元のイベントや催事への参加、大迫の魅力であるワイン関連催事、神楽やお祭りの紹介もありました。

【柏谷隊員】
札幌市出身。アートと農に興味があり、「自然の近くで自立(ほんとうの意味で)して生きたい」との思いで隊員となりました。自然豊かな東和町で、「田瀬地区の活性化」をテーマに活動中です。地区イベントへの参加と実施、エリア魅力の発信を行っています。アートプロジェクトと地元資源を活かすイベントの実施、SNSでの発信をしています。現在、田瀬観光マップを作成中です。

授業終了後は、「地域活性化論研究会」を開催。授業振り返り・情報交換・意見交換を行いました(写真9,写真10)。

学生の授業レスポンスシートには
・地域で好きなことをやっていることが人ひとりから伝わってきた。(超多数)
・行動力、考え方等見習うところが多く為になった。良い講義だった。(多数)
・本当に好きなことは20年経っても変わらないのが素敵だと思ったし、私自身も将来の考え方として学びになった。
・和田さんの「市役所職員は課題に気づいても解決できない所はある。だからそこは地域おこし協力隊」というのが確かにと思った。
・皆さんすごくやりがいをもって楽しんでいるのが伝わってきて素敵な制度だなと思った。
・大学生も地域活性化の一端を担っているのだと理解できた(多数)。
・就職活動にもつがる内容で勉強になった(多数)。
・共通しているのは全員が充実した毎日を過ごしているなと感じた。私も何か地元に貢献できるような人間になりたいと思えた。
などがありました。

写真1 左から吉田教授、遠藤講師、内田隊員、和田主査、平川隊員、宮川隊員(前)、赤津隊員、柏谷隊員


写真2 和田主査授業


写真3 内田隊員授業


写真4 赤津隊員授業


写真5 平川隊員授業


写真6 宮川隊員授業


写真7 柏谷隊員授業


写真8 質疑応答


写真9 地域活性化論研究会


写真10 地域活性化論研究会