文字サイズ

新着情報

第14回「地域活性化論」 「地域の活力の源は何か。自分たちの魅力を生かす。」と「信用金庫の地域活力づくり~花巻信用金庫の取り組み~」が行われました

授業関係
12月19日は上町家守舎の小友康広社長と花巻信用金庫の漆沢俊明理事長を講師としてお迎えしました。

 小友社長は41歳、実家は創業119年の老舗小友木材店、その4代目。大学卒業後は別業界での修行を決意。小さなIT企業に就職、自らでその企業発展を実現し、今もそのIT企業に在席、実家の木材店、花巻家守舎(花巻駅前のリノベーションまちづくり会社)、上町家守舎(同上町のリノベ)、音楽フェス運営等と花巻と東京で6社を経営中のパラレル経営者です。

講義は、今の時代に有効なビジネス手法の「リノベーションまちづくり」についてでした。そのヒントは、生活圏や思い入れのある場所でなるべく小さい設定がよい(半径200mがおススメ!)と「他人と違う経験は武器になる」です。
「リノベまちづくり」とは、特定エリアの遊休不動産を活用し、統一ビジョンを掲げ、共感し集まる人&働く人を増やす事業で家守舎はエリアプロデュース集団です。2015年4月に花巻家守舎を結成。その運営方針は「まず実験」。花巻駅前をチャレンジする大人が集まるまちへを統一ビジョンに事業を開始。物件の第1号は小友ビル1階のレストランでした。

2016年3月マルカンデパートが閉館。地元高校生から始まったマルカン大食堂を残して欲しいという署名運動(1か月で約1万人)の期待に応えようと、「マルカン食堂を可能な限りそのまま残す」、「上町を花巻の産業が育つまちに」を統一ビジョンに2016年6月には上町家守舎も設立。上町家守舎はマルカン大食堂の再開、B1階のDPRTMENT SKATESHOP&PARK、2階の花巻おもちゃ美術館を開業しました。未知には「計画」より「対応」で進化を続けています。その実事例の紹介がありました。これからの時代の職業の安定とは、組織依存安定(=どこに属するか?)ではなく自立安定(=何が出来、誰と繋がっていのか?)。自立安定には、①感動させる(感動は利益の源泉)、②様々な価値観の集団に属す、③スキルは最低限でもセンスは最大限に、この3つがポイントであると就活に関する教示は多くの学生に感銘を与えました。

漆沢理事長の授業は、信用金庫の位置づけ、信用金庫と銀行の違い、そして信用金庫の3つのビジョンの解説から始まりました。信用金庫には相互扶助の「報徳思想」があり、この思想は今も信金の業界に根付いています。続いて花巻信用金庫の概要、基本理念(地域経済の健全な発展と豊かな暮らしの実現)と基本方針(地域内の中小企業ならびに地域住民の金融の円滑をはかり、もって地域社会の反映に貢献し、日本経済の発展に寄与する)につき説明がありました。具体的な取組みとして「1.花巻 夢・企業家塾」、「2.お客様の販路拡大支援」、「3.交流人口増加への取組み」、「4.花巻市との包括連携協定」、「5.東北大学との連携」、「6.富士大学との連携」、「7.成年後見サポートの取組み」を挙げられ、その内容の紹介がありました。本学との連携では平成28年度から「地域金融論」、そして昨年度から「起業家育成論」が提供講座として開講されています。漆沢理事長の経営姿勢と実行力に多くの学生が驚きと感銘を示しました。この「地域活性論」の民間講師の殆どが「夢・企業家塾」の出身者であり、この事実が花巻信用金庫の素晴らしい地元貢献活動を現わしています。最後に「地域活性化への想い」と企業家に必要な四つのキーワード、「夢・志」、「感動」、「連携」、「相互支援」を事例に結びつけての説明がなされ、説得力のある講義を締めくくられました。

講義終了後には講師を囲み、授業参加者で「地域活性化論研究会」を開催し、本年度の地域活性論の振り返り、意見交換・情報交換を行いました(写真6,写真7)。

学生の授業レスポンスカードには
・「偶然の中の必然。偶然やってくる必然を捕まえる」その通りだと思った(超多数)。凄すぎて鳥肌がたった。
・一度地元から離れて新たな知識を身に付け地元に戻って活かすのがいい!!という言葉があったが、正に今私が花巻でやっている最中であり、改めて自分の事について見直すことが出来た。
・お二人から、これから生きていく上で大切な多くの話が聴け、とても有意義な時間だった(多数)。
・講義内容が心に響いた。就活に行き詰っている中で本当に為になると思った。沢山のヒントを貰った。これからの人生に活かしていきたい。
・自分のやりたいことを知り、商いにすることで人生を彩ることが出来ると思った。
・これまでの講義の中で一番感銘を受けた(多数)。花巻の魅力をまたひとつ見つけた。
・「感動」、「連携」、「イノベーション」「人との繋がりが大切」等々お二人のお話は似ていると感じた。
・常に流れを見て、今やるべきは事をしっかり見極めているのだと思った。そしてワクワクする方向に進んでいく、それが結果に繋がるのだと思った。
・地域、地方だからこそ出来ることがある。そこには若者の力が必要不可欠であると感じた。
・今回は13回分の授業の総集編だと感じた。
・とりあえずやってみる事で、いろいろな巡り合わせ等がでてくる。挑戦は大事だ。
などがありました。

写真1 左から漆沢理事長、小友社長、遠藤講師、吉田教授


写真2 授業風景 小友社長     


写真3 授業風景 漆沢理事長 


写真4 授業風景  


写真5 質疑応答


写真6 地域活性化論研究会 

写真7 地域活性化論研究会