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研究、地域・産学官連携の取り組み

地域・産学連携センター

理想だけでは通用しない現場での経験が、
私の学びを社会につなげてくれました。

芦埜 未彩さん
山形県立谷地高等学校出身

私は、富士大学地域・産学連携センター学生委員として、花巻市で開催される「どでびっくり市」をはじめとする地域イベントに参加してきました。ブース出展では、企画立案から準備、当日の運営、振り返りまでを学生主体で担当。企業や地域団体の方々と打ち合わせを重ねながら、来場者に楽しんでもらうための内容や広報方法を考え、何度も修正を重ねました。

当日は実際に地域の方と直接言葉を交わし、大学への期待や率直な意見を聞くことができました。その中で、地域課題は教科書どおりにはいかず、相手の立場や背景を理解することが欠かせないと学びました。授業で学んだ経済や企画の知識を現場で試しながら形にしていく経験は、「学び」が社会とつながる瞬間を実感できる貴重な機会となりました。

理想と現実のギャップを越えて

最も難しかったのは、学生の理想と地域・企業の現実との間にあるギャップをどう埋めるかでした。自分たちが良いと思う企画でも、本当に地域に必要とされているのか、実現可能なのかを何度も話し合いました。一方的に提案するのではなく、相手の立場に立って考え直し、対話を重ねながら内容を調整していくことで、より現実的で意味のある活動へとつなげることができました。

挑戦の先に広がるこれから

地域の現場で多様な人と関わる中で、教室の中だけでは出会えない人や価値観に触れ、自分の考え方の幅が広がりました。そして、自分の「好き」や「気になる」という気持ちを、実際の行動に変えられることこそが地域活動の魅力だと感じています。
この経験で身についた、立場や価値観の異なる人と協働しながら物事を前に進める力を、将来の仕事にも生かしていきたいと考えています。

女性スポーツの未来を、科学で支える。

2027年4月のスポーツ健康科学部の開設に先駆け、2026年10月、IFUに国内2拠点目となる「女性スポーツ研究センター」が開設されます。女性スポーツを中心に、地域や社会が抱える課題に、科学的な視点から向き合う研究拠点です。

なぜ、女性スポーツ研究センターなのか。

ライフステージごとに大きく変化する女性の身体。その変化を「根性」や「経験」で判断するのではなく、科学的なデータをもとに分析します。誰もが安心してスポーツを続けられるよう、女性の心と身体に最適化された指導法やコンディショニングを研究し、地域社会に還元します。

研究・教育・社会へ。

順天堂大学が持つ医学や科学の知見を活かし、女性アスリートが自分らしく、最大限の力を発揮できる環境をサポートします。選手としてだけでなく、指導者や審判といった「次世代のリーダー」の育成にも力を入れて取り組みます。研究成果を地域に還元することで、誰もがスポーツを楽しみ、岩手から健康の輪を広げていくことが私たちの願いです。

重点的な取り組み「女子中高生の部活動支援」

順天堂大学が開発した独自ツールを活用し、地域の部活動の支援に取り組みます。選手本人が自身の体を知り、セルフコンディショニングを習得できるようサポートします。同時に指導にあたる先生方へも最新の知見を普及し、安全で効果的な指導環境の構築を全力でバックアップします。

地域・産学官連携の事例紹介

企業の課題解決に挑む

経営のリアルに飛び込み地域の未来を切り拓く

IFU × 企業

経済経営学部
吉田 哲朗教授

花巻市内で長く存続してきたファミリー企業を訪ね、経営者や従業員、顧客に直接話を聞きながら、企業がどのように信頼を積み重ね、地域とともに歩んできたのかを探究しています。決算書やデータ分析だけでなく、店舗や工場の現場に立ち、働く人の想いや工夫に触れることで、教室では得られないリアルな経営を学びます。企業の目標は「存続」ですが、地域企業には「地域を元気にする」役割もあります。その両立の仕組みを考えることが現在のテーマです。今後は見学や聞き取りだけでなく、企業の具体的な課題に踏み込み、売上向上策や新商品企画などに挑戦します。企業から「一緒に考えてほしい」と求められる存在となり、提案を形にする学びへ発展させ、地域の未来を動かす存在を目指します。

地域農業の発展を考える

農業を通して探究する地域経済の仕組み

IFU × 農業

経済経営学部
海邉 健二教授

花巻市内の農事組合法人や地域企業と連携し、実際の農地や作業現場を舞台に学びを深めています。田植えや収穫などの農作業を、手作業と機械作業の両方で体験し、効率やコスト、労力の違いを自分の体で理解します。普段は農業に関心がなかった学生も、大学のすぐ近くに広がる現場で汗を流し、生産から販売までの流れを知ることで、農業が地域経済を支える重要な産業であることを実感します。今後は地域との連携をさらに増やし、学生が経営改善や販路拡大の提案まで担う取り組みへ発展させていきます。農業の現場と経営の視点を結びつけ、地域と協業しながら新たな価値を生み出す存在へ。学生の学びが地域の力となり、地域の期待が学生の成長を後押しする、そんな循環を生み出すことを目指しています。

研究事例紹介

アニメやAIも経済と深く結びついている

経済経営学部
鈴木 康夫教授

目に映る「かわいい」や「わびさび」といった感性、アニメ『メダリスト』に描かれる競争、そして「幸せな生活」を支える公共の役割。こうした身近な文化の中にも、実は経済や経営の仕組みが関わっています。なぜ人は競い合うのか、価値はどう生まれ、社会はどう支えられているのか。多角的に考察し学んでいきましょう。

私の研究は、景気の変動によって起こる失業や格差、インフレといった社会の課題に対し、どのような財政金融政策が人々の生活を支え、持続可能な経済成長を実現できるのかを探ることから始まります。さらに、天然資源に依存する島国や途上国の安定した資源管理、日本や先進国の長期的な経済戦略にも目を向けています。特に近年は、アニメやクール・ジャパンといった日本文化が世界でどのような経済効果を生み出しているのか、そしてAGI(汎用AI)やフィジカルAIの進化が産業や私たちの働き方をどう変えるのかに強い関心を持っています。みなさんの好きなアニメや最新のAI技術も、実は経済の動きと深く結びついています。そうした身近な関心を入り口にしながら、世界経済がどのように発展していくのかを探究しています。