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新着情報

「地域創生論」の第十回講義が行われました。

授業関係
6月15日、NHK盛岡放送局局長の田中宏曉氏を講師にお迎えし、「言論社会が地域創生に果たす役割~公共放送と地域の視点~」というテーマで第10回目の地域創生論が行われました。

田中氏は講義の冒頭で、ラジオ放送が開始された1925(大正14年)3月22日の東京放送局で演説放送された後藤新平総裁(奥州市出身)の『無線放送に対する予が抱負』の一部を引用し、「言論社会は、メディアから社会への一方的な情報発信を称した概念ではなく、市民とメディアがともに織りなす情報空間の場である」と前置きをされてから、自身の立場で地域創生に果たす報道とTVメディア放送の役割をお話しくださいました。
今回の田中氏の講義は、日常であまり考える機会がなかった公共放送の役割や基本的な姿勢について考えることができました。もし、メディア放送がなければ私たちの地域生活はどのようになっていたのか。また、放送が首都圏に暮らす人々だけを意識した放送内容だったら文化や教育、経済の地域間格差はどのようになっていたのか。田中氏の話題からは、このような地域課題が抽出され、メディアの地域に向ける視線は、大きな影響力を持っていると実感します。

さらに田中氏は、若者のテレビ離れが進み、インターネットで必要な情報だけを検索し獲得する人が多くなっている現状では、「言論社会」の基盤である公共性や倫理性が喪失しやすくなるといった現代社会の課題を取り上げ、これからは、市民の意見を巻き込む双方向型の新たな情報発信方法の工夫をし、市民目線で「公共」の価値を育めるようなメディアの在り方が求められていると述べられました。
 
参加した学生からは「確かにモバイル端末の普及によって自分の興味のあるニュースや動画をみていると地方の問題から関心が離れると思った。放送を通して地方の問題を考えていかなければならないと思いました」と感想がありました。
制作者と視聴者の地域に対する思いを共有し、言論社会を体現できた充実した時間となりました。

次回6月22日は、農林水産省地域振興局農村政策部地域振興課長 圓山満久氏を講師にお迎えし、「農林水産省の地域創生政策(条件不利地域対策)」というテーマの講義を行います。