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第7回「地域創生論」が行われました

授業関係
 5月27日、地域創生論の第7回目の授業が行われました。今回は岩手県政策企画部副部長の坊良英樹氏を講師としてお迎えし、「PDCAサイクルによる岩手県行政」というテーマでお話しいただきました。
多様性が尊重される現代社会にあっては行政活動もまた多岐にわたる。地方公共団体は住民の福祉の向上のために、法令に基づき自らの権限と責任のもと限られた行政資源を生かし地域社会の持続的な発展のために必要な事務を適切に処理し、継続的に行っていかなければならない。しかもそれは住民自治を基礎とする。地域が抱える課題を的確に把握し解決を図りながら自ら意思をもって地域社会を支え未来を創る最も身近な行政主体である地方公共団体。その活動の充実と質の向上は地域創生のために重要な要素となっている。
 岩手県の行政活動は「いわて県民計画」に基づいて行われている。計画は10年ごとに策定され、現在の県民計画は2019年度から2028年度が計画期間である。策定には約2年の歳月をかけ、県議会での議論、有識者・専門家からなる審議会、パブリック・コメント、地域説明会、ワークショップ、アンケート調査、圏域における懇談会等を通し、さまざまな形で県民の意見が集約された。人口減少と震災復興をその取り組むべき基本的な課題として認識している。これを基に県民計画は政策分野、政策項目、具体的な推進方策、アクションプランを構成する事務事業、それらの実施に係る指標等を体系化する。そして県は毎年度実施された政策等をその必要性・効率性・有効性などの観点から、また県民の実感の変化などを踏まえた点から総合評価し、次年度に向けその改善を図っている。
 東日本大震災の経験は、私たちの生活のなかで何が大切なものなのか社会全体として改めて考え直す大きな契機となった。この県民計画の基本的なコンセプトは「幸福の追求」と表現されている。人間存在に係る最も根源的で普遍的で重要なテーマである。憲法が規定する基本的人権とも関係する。地域性と普遍性をそなえ、県民の生活実感にも即した良いテーマであると思う。