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新着情報

第9回「地域創生論」が行われました

授業関係
 6月10日、地域創生論の第9回目の授業が行われました。今回は株式会社アイオー精密代表取締役社長の鬼柳一宏氏を講師としてお迎えし、「グローバルで戦う地域の先進企業の哲学」というテーマでお話しいただきました。
 精密金属部品の開発・加工を行う受諾型加工業として日本最大級の規模を誇るアイオー精密株式会社。変種変量・超短期生産という独自のビジネスモデルを実現し、日本をはじめ中国、ベトナムなどアジアにひろがる生産拠点を背景に、世界を舞台に事業を展開する。常に先進的、革新的なものづくりに挑戦し、競争力を向上させられる戦略を実践し、2017年には第50回グットカンパニー大賞グランプリを受賞している。地元花巻市にある日本を代表するものづくりのグローバル企業である。
 鬼柳氏が提言する「ものづくりで進める地域創生」の中心にあるコンセプトは「ものづくり」と「IT」の融合、いわゆる「デジタルものづくり」の推進である。マザー工場機能を持つ製造業の立地、物流と情報のインフラ高度化、事業の全国展開、海外進出、人材受入等を図りながら、同時にものづくり人材・IT人材の育成と定着を産学官と地域が一体となって進めていく。すでに花巻はじめ北上川流域の地域には岩手県の経済を牽引するものづくり産業の未来性豊かな土壌がある。将来的には、この地域でものづくり産業を担う優れた人材が育ち活躍し、IoTを活用した時代に即した生産体制が構築され、独自の技術力を持つ開発型企業が増加し、世界に通用する企業が集積をしていく地域となっていく。壮大な未来構想ではあるが、それが単なる夢物語ではないことはアイオー精密の存在が雄弁に物語っている。
 経済活動の主体としての企業は経済的な価値の創造がその基本的な目的ではあろうが、企業は同時にその地域と社会と未来にとって重要な価値を生み出す活動体ともなる。そうなる企業の条件とは何なのだろうか。鬼柳氏の本日のお話には、そのことを考える多くの示唆がありました。