文字サイズ
※翻訳が不十分な場合もございます。
ご了承下さい。

新着情報

第8回「地域創生論」 『地域主導でのエネルギー事業作り』が行われました

授業関係
 6月2日の講義は、紫波グリーンエネルギー株式会社、環境エネルギー普及株式会社の代表取締役 山口勝洋氏を講師として開講されました。2004年より省エネ・再生エネルギーの導入実現事業に携わって来られた「日本の再生エネルギー開発の草分け的存在」山口氏の講義概要は、およそ以下の通りでした。

1. 2010年に岩手県紫波町に来て、環境エネルギーの設計・導入・運用サービスの会社を設立してから12年が経過した。岩手県は自然資源が豊かなところで、再生エネルギーの自給率を高めていけるポテンシャルがある。エネルギーは生活必需であり、今は、地域の様々な人と協働の仕組みを作るバイオマス事業に注力している。
2. 主な事業としては、2010年に町所有の温泉施設の重油消費を半減させる省エネ・再エネ複合事業(ラ・フランス温泉館事業)、2011年葛巻町公民館25か所の太陽光発電+蓄電池を設置した事業、2014年紫波町駅前の再開発オガール地区における地域熱供給(木質熱)事業が挙げられる。このオガールの紫波町新庁舎、オガールベース(民間複合施設 ビジネスホテル/バレーボール専用体育館/コンビニ/薬局等)、紫波型分譲エコハウス(戸建て住宅)向けに熱・冷熱を31年の長期に亘って供給する契約は、地域を面的に脱炭素・地域エネ化できる地域熱供給の日本における先行モデル事業となっている。
3. 重油や灯油、ガス等による熱ではなく、木質由来の熱に置き換え化石燃料の消費を削減する活動に取り組んでいる。価格変動も大きく供給不安定な化石燃料に比べ、木質は地域内で自給でき安定している。それによる熱と電力を利用することによる地域内での経済効果は大きい。
4. 市民出資の地域ぐるみのエネルギーサービス・プロジェクトでは、ユーザーに代わって設備投資や運用を担う組織により普及のハードルを下げることでうまくいっている事例が多い。その様な市民出資型風力発電や市民参加型太陽光発電も普及しつつある。
5. 千葉商科大学との連携:各地で地域ESCo(エネルギーサービス社)を作ってきた経験を活かし、「大学発お地域エネ会社」のCUCエネルギー㈱を作り省エネ+再エネに取り組み、自然エネルギー100%の事業所(千葉商科大学)を実現させた。

講義後のQ&Aでは、会場からの質問や意見に講師から丁寧な説明がなされ、環境エネルギー普及への関心の深さがうかがわれました。