文字サイズ
※翻訳が不十分な場合もございます。
ご了承下さい。

新着情報

第12回「地域創生論」 『消費者が変える!グローバル化のゆがみ』が行われました

授業関係
 6月30日の講義は、岩手県生活協同組合連合会専務理事の吉田敏恵氏を講師として開催されました。吉田専務理事は、みやぎ生協やいわて生協、岩手県生協連にて「組合員活動」部門で食・食料、環境等の問題に取り組まれてきたご自身と組合の紹介に続き、以下の3項目について話されました。

1. グローバル化による問題やゆがみ:
グローバル化とは、ヒト、モノ、金 、情報等が国家や地域の垣根を越えて地球規模で流れ、やり取りができるようになることを意味する。いいことばかりではなく、パンデミック、気候変動や戦争等の影響や、グローバル化による「問題」や「ゆがみ」についても考える必要がある。グロール化のゆがみとは、世界人口の1%の富裕層が、残り99%の人々の資産より大きいこと、大富豪が税金逃れをしていること、など他者を犠牲にしながら利益を増やしたり、負担を逃れている不公正な状況を指す。グローバリズムとは、「新自由主義」を指す場合が多いが、富める者がもっと豊かになり貧富の差が拡大している。国による福祉や雇用、公共サービスの縮小、規制緩和による大企業の参入、自由貿易の名目で米国から無条件で農産物を輸入することなど、富の著しい不均衡を生み出したり、日本の農業を弱めることにつながる懸念がある。
2. 食やくらしへの影響を考える:
グローバル化によるゆがみが広がって、食料の安定供給や、食品の安全が脅かされている。日本の低い食料自給率、食の安全を守る規制の緩和や遺伝子組み換え食品への不安(牛肉の成長促進ホルモン剤、小麦の残留農薬、遺伝子組み換え食品、ゲノム編集食品等)、私たちの周りには多くの問題がある。
3. 食料や食の安全を守るために、何ができるか:
食の安全、食料の安定確保に関心をもって、農業や1次産業の大切さを考える。エシカル(倫理的)消費をする、できるだけ自分で料理する等暮らしを見直し、消費者自らの消費行動を通して企業の倫理や環境問題など社会的な課題の解決に関わってことが必要。
「生協」は、食料や食の安全を守るために、安心できる商品つくり、産直運動、買い支え等で応援をしている。県内の諸団体と連携してネットワーク組織を作って活動したり、国の政策に問題があるときは、学習会を開き反対や要求運動を行っている。

 吉田専務理事は、結びとして『消費者は、「買い物」という行動で、意思を示すことができ、少しでも「グロール化のゆがみ」を変えられる。単にコスパがいいとか、利益が上がるという価値観だけに縛られない消費者・生活者になってほしい』と述べられました。
 講演後の質疑応答の際には、「食品ロス」や「食育」等の質問があり、丁寧に応答されました。