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新着情報

第13回「地域創生論」 『花巻市の現状と課題』が行われました。

授業関係
 7月7日の講義は、地元花巻市の上田東一市長を講師として開催されました。21世紀地方分権化時代にあって、地方自治体の舵取りをする首長さんには、行政のみならず経済や法律の知見も求められていますが、上田市長は多彩なご経験をお持ちで、「花巻市の現状と課題」について以下4項目について話されました。

1. 市の人口動態について:平成18年の花巻市合併当時、10-11万人あった人口が、令和3年で94,000人に減っている。令和1年より転入者(特に子育て所帯)が増えて、社会増となっているが、2040年には75,000人まで減少すると予測される。若い人達が「住みたい」と言ってくれる町にしたい。

2. 花巻市の現状と財政の状況:令和4年度の花巻市一般会計予算は511億円で、歳入としては、市税が114億円、地方交付税が141億円他となっている。歳出は、民生費154億円、土木費62億円、公債費56億円等が計上されており、町づくり基金は残高が65億円あるので有効に活用していく。

3. 花巻市立地適正化計画の概要:都市再生整備計画(第2期)として新花巻図書館の整備を検討している。これまで市民説明会を経て「新花巻図書館基本構想」を策定し、基本計画策定のためにワークショップや意見交換会を開催して専門的見地からの検討も進めている。建設候補地については、若い人が利用しやすい場所が望ましい。JR花巻駅の半橋上駅整備の検討、国道4号線やスマートインターチェンジの整備、新たな産業団地整備についても準備を進めている。近くの金ヶ崎町ではトヨタが、北上市ではキオクシアが操業している。自動車と半導体の大工場の近接立地は世界的にも希有で、花巻市は交通の要所として地の利もあり、こうした企業の関連事業や物流関係企業を取り込んでいきたい。

4. 令和4年度の主な施策:花巻市は、子育てしやすい環境づくりをして「若い人たちに住んでもらえるまちづくり」を進めている。そのために優良な住環境の整備・支援、就業支援、結婚や出産、子育て支援事業、医療体制の整備等も行っている。また、地域おこしや産業振興、スマート農業の推進等地域課題の解決にも積極的に取り組んでいる。

講演後の質疑応答の際には、郷土芸能の振興、新花巻図書館や花巻祭り等についての質問があり、上田市長は丁寧に応答されました。

地域創生論は、残すところ後2回となりましたが、後期公開講座「地域活性化論」では、花巻市の職員と民間ゲストのペア講師によるまちづくり実践事例紹介の授業を予定していますのでご期待ください。(ご参考:昨年度地域活性論実施一覧
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