文字サイズ
※翻訳が不十分な場合もございます。
ご了承下さい。

新着情報

「森林と暮らしを考える花巻市民の会」講演会で岡田学長、遠藤教授が講演を行いました

イベント
2022年12月23日、市内まなび学園(生涯学習都市会館)で「グリーン社会の構築に向けて」と題する講演を岡田秀二学長と経済学科遠藤元治教授が行いました。

 この講演会は、森林の役割を見直し、暮らしの中に森林の整備と木質利用を進めようと2013年から開催されています。約30名の来場があり、2名の花巻北高校生の参加もありました。

佐々木義則会長の挨拶に続き、岡田学長が『グリーン社会の構築に向けて』と題する基調的な講演を行い、下記をわかりやすく解説しました。
1.生命の惑星=地球に 今 必要なのは森林!
2.日本の森林の歴史と現状(課題)
3.エコゾフィーの森づくり・木材利用を踏まえた社会経済をつくろう
4.地域持続の論理に立つ森林・林業の形成…2事例から学ぶ事

 まず、地球温暖化のメカニズム、被害状況、カーボンニュートラル(CN)とは何か、CNに果たす森林の役割と価値を解説。次に日本の森林の変遷、地球温暖化防止と森林保全・利用に関する諸政策を解説し、「二酸化炭素の排出は国民のライフスタイルに起因している。」「(削減するためには)国民一人ひとりのアクションが不可欠。」、「木質バイオマスの更なる利用の時代が来る。石油依存度を下げられる木質利用(産業の育成)は重要」、それには「環境」と「社会」と「精神」の3つのエコロジーを合わせたエコゾフィー的視点に立つ森づくり/木質利用社会づくりが必要であると力説しました。最後にその事例を「岡山県西粟倉村の百年の森林事業」と「宮城県南三陸町環境基本計画」で説明しました。

 次に遠藤教授が「自然とは何か。私たちはどんな時代を生きているのか。」と本学が中心で取組んでいる「木質バイオマス熱利用の(森林の地域内での持続的地産地消で地域経済活性化を目指す)花巻市および周辺地域内エコシステムモデル構築事業(地域エコ事業)」を紹介しました。人類の経済活動が地球(環境)を破壊する「人新世」という地質学的な新時代=環境危機の時代という説を紹介。それに対する国内外の最新動向(地球温暖化対策推進法改正および地球温暖化対策計画の改訂、COP27等々)を概説しました。地域エコ事業では市内幸田の社会福祉法人「銀河の里」はNEXCO東日本と連携し高速道路管理伐採木から燃料チップを製造して、花巻市役所大迫総合支所および銀河の里自前導入チップボイラーへの燃料供給を実現しています。また富士大学学生寮でのチップボイラー利用と富士大学構内でのオンサイトチップ製造が本年度中に開始の予定です。また岩手県の森林整備事業を活用する材の集材等についても解説しました。

写真1  岡田学長講演


写真2 講演会風景