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第4回 地域活性化論 『紫波町の新たな挑戦。オガールプロジェクトのその後』が行われました

授業関係
 10月5日、紫波町企画総務部長 兼 政策統括監/資産経営課長の鎌田千市氏を講師としてお迎えし、紫波町のまちづくりへの取り組みについてお話しいただきました。

 紫波町は盛岡市と花巻市の中間に位置する人口約33,000人の町です。同町は「暮らし心地の良いまち」を目指して独自の政策を立案・実行しています。その主なものには2000年の「新世紀未来宣言」に基づく「循環型まちづくり」、2005年からの「協働のまちづくり」、2007年からの「PPP(Public Private Partnership=公民連携)によるまちづくり」があり、持続可能な成長のために町内資源や地元企業との連携を積極的に活用したまちづくりを進めています。オガールプロジェクト(町の課題であった10年間塩漬けだった紫波中央駅前の町有地複合開発)」はPPPにより活路を見出し、地域創生の成功モデルと高い評価を受けています。今回の講義では、まず、このオガールプロジェクトがいかにして実現したか、その経緯と施設毎の特長が紹介されました。
紫波町はオガール以外にも公民連携に取り組んでいます。歴史のある日詰商店街地区では、旧庁舎敷地等の遊休不動産の活用によるリノベーションまちづくりが行われています。2015年、2016年に「リノベーションスクール」を開催し、それ以降、30数件の物件が活用されています。「SAKE TOWN SHIWA」の相乗効果により、共感する商店主や若者(移住者等も)への輪が広がり、2021年に日詰商店街は中小企業庁「はばたく商店街30選」に選出されました。2023年7月には旧庁舎敷地の事業公募により「地域をつなぐ温浴施設 ひづめゆ(シードル醸造所、コンビニ、レストランとの複合施設)」がオープンし多世代の憩いの場を作り上げています。
紫波町が今注力しているのは7つの小学校跡地の活用です(鎌田部長は資産経営課長でもあります)。利活用のコンセプトを「産業の振興」と「人材の育成」とし、地域資源を活かして持続する産業と雇用を創り出し、未来の担う人材を育てる場とすることを目指しています。「農園付き保育園」へのコンバージョン、「酒の学校」、交流人口滞在型施設(吉本オガール地方創生アカデミー)等々の案件が同時並行で進んでいます(紫波町HPで確認できます)。
講義のラストは就活を考える学生向けの話でした。学生時代から紫波町に関心を持ちファンとなり地域おこし協力隊員となった方々の活動紹介がありました。「人生は様々ですが、学生時代の価値観や問題意識は大事にして貰いたい!!」と富士大学生へのエールで講義を終えられました。
講義後の質疑応答では、紫波町の成功は、その自治体規模、紫波の歴史にあるのではーーとの質問があり鎌田部長から丁寧な回答がありました。

その後、第2部として、地域経済文化研究所/地域連携推進センター共催の「地域活性化論研究会」を開催し、鎌田部長、本学教職員5名、学生1名で、授業の振り返り、情報交換、意見交換を行いました(写真4.写真5)。

学生の授業レスポンスカードには:
・自分のやりたい事をやるのは苦しくても楽しいんだと感じた。
・紫波町のまちづくりは町民3.3万人だけでなく、半径30km圏内の60万人に対してでもあるという考え方に驚いた。
・紫波町に住んで良かったと改めて思った。幼い頃は田舎だとしか思っていなかったが、大人になるにつれて田舎の偉大さや紫波町の価値を知ることが出来た。
・大型イオンモールへの沢山の人で地域が活性化してくと思っていたが、それだけでは地域活性化にはつながりにくいことがわかった。
・少し前に初めて紫波中央駅に降りた時にその綺麗さと活発さというか活き活きした街に驚いたし、わくわくするような場所だった。中略。本当に面白い内容だったので受けて良かった。今日学んだ事は自分が将来どの地域に住んでも、どの職についても活かせる内容だった。将来に活かせる様にしていきたい。
・自分が小さい頃の紫波町とは全く別の町になっている。授業を聞いてさらに発展しようとしているのを知った。世界的にも注目される町に進化するだろうと期待している。
・毎日が楽しくてしょうがないという大人はなかなかいないと思うのが、楽しんでいる大人の話が聞けてよかった。大人が協力すればどうなるかを感じた。
・鎌田さんの話しを聞いて感じた事は、人生はお金が無ければ生きていけないということ。中略。お金が無ければまちづくりをすることは出来ない。大切なのはお金の使い方。何のためにお金を使うのかを考えた時、自分のためだけに使ってはお金の価値は生かされないと思った。
などがありました。

写真1)  左:岡田学長  右:鎌田部長(講師)


写真2) 授業風景


写真3) 授業風景


写真4、5) 地域活性化論研究会