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第13回「地域活性化論」 地域を引っ張る産業と人材⑦「地域おこし協力隊の活動」が行われました

授業関係
12月14日は、花巻市地域振興部定住推進課主査の栗澤孝仁氏、現役地域おこし協力隊隊員の坊迫舞香氏、内田祐貴氏、中村楓香氏、赤津有美氏、森川沙紀氏、宮川裕輔氏、柏谷恵氏を講師としてお迎えし各人の取り組みにつきお話をいただきました。身近な分野や年代の近い方々の講義であり学生たちは真摯な面持ちで聴き入っていました。概要は以下の通りでした。

 はじめに栗澤主査から地域おこし協力隊の制度について説明がありました。
地域おこし協力隊とは、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を異動し、生活の拠点を移した者を、地方公共団体が「地域おこし協力隊員」として委嘱するもので、花巻市は2016年からスタートしました。この制度は総務省主管の取り組みです。隊員は、一定期間、地域に居住して、地域ブランド品、地場産品の 開発・販売・PR等での地域おこしや、農林水産業への従事、住民生活の支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図ります。活動期間は概ね1年以上3年以下。次に掲げる活動経費が特別交付税により支援されます。 A) 地域おこし協力隊員の活動に要する経費:隊員1人あたり480万円上限  B) 地域おこし協力隊員等の起業・事業承継に要する経費。
地域おこし協力隊制度地方財政措置により、隊員の活動と募集等に要する地方公共団体の経費は、特別交付税措置となっています。協力隊員の数は、現在全国で6千人ほど、国としては将来的には1万人まで増やしたい意向です。

次に協力隊の皆さんから取組みの報告をいただきました。
【坊迫(ぼうさこ)隊員】滋賀県の出身で、2021年9月より協力隊として活動。エンタメ農業、イベント、狩猟等を行い、田瀬湖エリアを東北一の観光地にすることが目標です。自然と共に暮らすこと、消えゆくものを守ること、地域の豊かさの追求をする、という3つのミッションを持ち、地域内外の人々と協力して、自然と共にお金以外の豊かさも追求する「ぼうまい村」の実現を目指しています。

【内田隊員】花巻市出身で、大学3年生の時に花巻を盛り上げたいと思い、若者を巻き込む活動をはじめて9年目。2016年から「イーハトーブまち塾」を立ち上げ、高校生を集めてフィールドワークやワークショップを行っています。「HANALLEYAプロジェクト」では、高校生たちが活動する場の提供をしています。「自分の興味・関心・楽しいと思うことx(掛ける)暮らす地域=地域活性化」と考えており、富士大学生にも地域活性化に関わりませんかとの呼びかけがありました。

【中村隊員】盛岡市出身で一昨年から協力隊として活動しています。SNSを利用する「花巻の観光資源を活用した魅力ある観光コンテンツの創出」がミッションです。SNSで地域の魅力を発信しています。テクニックとしてのインスタグラムでの戦略的バズらせ方の技の紹介があり、学生からは、「中村さんのインスタグラムの活用術は、すごく勉強になった」との所感が複数寄せられました。

【赤津隊員】福岡出身。一作年から伝統工芸の「成島和紙」づくりに取り組んでいます。職業は「エンタメ系のコンテンツ企画開発&脚本家」で紙漉きを勉強中。花巻市の伝統工芸品である成島和紙の作り手となり、和紙のブランドを立ち上げました。作品には和紙ランプシェードや折り染め等があり作品は地域イベントや講座で販売しています。また原料となる植物の栽培も初め、本学が連携する結パークフォレスト(http://www.fuji-u.ac.jp/news/64780)の森に主原料のノリウツギを栽培等も開始しました。

【森川隊員】大阪市出身。一昨年からご家族4人で花巻に移住。一年目は観光課に所属し特技の英語で高村光太郎の談話筆記「花巻温泉」の英訳冊子を作成。冊子は市内のホテルに配布されています。2年目は定住推進課に移籍。英語と留学経験を活かし、市民講座で「エミルィと賢治の世界」を開催し、賢治の魅力の素晴らしさを英語でも発信しています。詩人エミリィの詩の一節を日本語と英語で紹介され、そのメッセージを通して学生へのエールがありました。

【宮川隊員】今年3月に愛知県から移住。大迫でぶどう栽培技術を学び、新規就農をテーマに活動中。研究所内の圃場で栽培技術を研修しています。3月の剪定補助作業から9月~10月の収穫・選果・出荷作業までの一通りを経験し、ぶどうの樹の変化の観察の重要性を実感し、手間をかける事で立派な果実が実る!!を実感、感動したそうです。大迫の魅力であるワインと催事、神楽やお祭りの紹介もありました。

【柏谷隊員】札幌市出身。アートと農に興味があり、「自然の近くで自立(ほんとうの意味で)して生きたい」との思いで隊員となりました。自然豊かな東和町で、「田瀬地区の活性化」をテーマに活動中です。地区イベントへの参加と実施、エリア魅力の発信を行っています。今後はアートプロジェクトと地元資源を活かすイベントの実施、そしてSNS発信を充実させていくとのことでした。

授業終了後は、「地域活性化論研究会」を開催。市役所職員2名、地域おこし協力隊4名、教職員4名の参加で、授業振り返り・情報交換・意見交換を行いました。


学生の授業レスポンスシートには
・地域を活性化させるためには年齢は関係ないと感じた。(中略)若い世代の自分たちが行動することで地域を活性化させれるのを講義で理解することが出来た。
・「とりあえず行動してみる」事の大切さと、若者の行動を無駄にしない大人が居ることを知った。
・自分で自分の枠をつくるという方に考えを持っていったーというのが印象的だった。
 まずはやってみて、やりながら成長して叶えばよいーというのが印象的だった。
・好きなことをするというのが成功への近道になるんじゃないかと思った。
・隊員の方々は皆さん生き生きと活動に取組んでいて凄くいいなあと思った。自分自身も社会人になったらそうなってみたい。
などがありました。



写真1 後列左より、赤津隊員、佐藤主事(定住推進課)、栗澤主査、内田隊員、坊迫隊員、
中村隊員、遠藤教授
    前列左より、粕谷隊員、宮川隊員、森川隊員



写真2  栗澤主任講義



写真3 坊迫隊員講義



写真4 内田隊員講義



写真5 中村隊員講義



写真6 赤津隊員講義



写真7 森川隊員講義



写真8  宮川隊員講義



写真9 粕谷隊員講義



写真10 冒頭全員自己紹介



写真11 地域活性論研究会