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新着情報

崔粛京教授担当の「比較文化論」が2024年度ユーラシア財団の講座開設助成の対象となりました。

授業関係
 この度、崔教授担当の教養教育科目「比較文化論」が2024年度ユーラシア財団の助成金を支給されることとなりました。ユーラシア財団は国家・民族を超えてアジアはもちろん全世界を視野に入れたよりよい未来の共同体の構築に寄与する講座を対象として助成を行っています。

 「比較文化論」は2010年度に新設されました。グローバル化が進む中、多くの中国人・韓国人留学生が経済学を勉強するために本学に来るようになり、こうした多様化する国際社会を理解し、生活習慣や価値観の異なる日本、中国、韓国の学生がお互いの立場を認め合い,支え合いながら共に生きていくことを目指した科目です。これまで比較文化論では日中韓三ヵ国の風土・言語・国民性の同質性と異質性を比較・分析することによって東アジアの文化の多様性について理解を深めるとともに国や言葉,文化の異なる日中韓3か国がお互いを認め合い,理解し、共に多文化共生社会を築くことの大切さを学んできました。
 また、5年前から本学では新科目「国際関係論Ⅰ・Ⅱ」を開設しました。本学の国際関係論は政治、経済、文化領域の「平和と安全保障」、「開発援助と国際協力」、「比較文化と国際交流」という3本柱の組み合わせによって構成されています。具体的には国際関係の歴史と現状分析を通じて国際関係論の基本的な概念について理解を深めることと、国際社会秩序の全体像、特に地域としての東アジアの政治社会と国際関係をとらえる視点を養うこと を到達目標としています。
 特に国際関係論では国際関係論における「多文化共生」というテーマで言葉の多様性と文化、異文化交流と理解、留学と国際関係、地域社会における多文化共生の現状と課題の内容を盛り込んで授業を進めております。
 その中で地域の多文化共生社会の現状に触れてみると持続可能な多文化共生の指標である多様性を原動力として発展する包摂的社会への実現には、相互理解などの課題が多いことに気づきました。
 こうした現状を踏まえ、この度比較文化論と国際関係論の研究課題の「多文化共生」を組み合わせて「比較文化論の視点から東アジアの持続可能な多文化共生社会の構築を考える」と題して助成金を申請し、本テーマと関連のある日中韓の学者を岩手県に招待して幅広い内容で講義をすることを計画しています。これをもって地域の多文化共生社会の実現に貢献できることと東アジアの持続可能な多文化共生社会の構築を考える上で有益なヒントが得られることを期待しています。

 講座実施計画及び目標は次のとおりです。
 まず本学の既存の「比較文化論」に「比較文化論の視点から東アジアの持続可能な多文化共生社会の構築を考える」というテーマを当てて講座を開設し、2024年9月~2025年1月の期間に日中韓三カ国の15人の講師を招聘して15回の授業を実施します。講座に関してはつぎのような内容によって構成されています。
(1)多様化する国際社会を理解する能力が求められる現状をふまえ、本講座ではまず日中・日韓の比較研究をされる研究者を招聘して日本に最も近い中国、朝鮮半島の文化、社会、歴史、宗教といった東アジアをめぐる諸テーマを日本とのかかわりでとりあげます。到達目標は文化の多様性について理解し、国際的視野を養うことにあります。
(2)次に、グローバル化が進み、外国人が増加している中、支え合いながら生きていく「多文化共生」は、持続可能な地球の未来を考えるうえで無視できないテーマとなっています。こうした視点を取り入れて地域における持続可能な多文化共生社会像を考える手法として日中韓の多文化共生を研究テーマとする学者を招聘して講義を行います。到達目標は、地域における多文化共生の現状と課題を明らかにすることです。
(3)最後に、東アジアの持続可能な多文化共生についてアプローチします。各国が国際社会と協調しながら世界平和のために果たすべき役割を考える際、その方向性を与える学問としてアジア共同体、世界平和、比較教育学、日本思想史を専門とする学者の講義を経て、そこから東アジアの持続可能な多文化共生社会の構築についてアプローチできたら、と考えています。