文字サイズ
※翻訳が不十分な場合もございます。
ご了承下さい。

新着情報

第3回「地域創生論」 『地域農業の新しい可能性 ~農業が果たす、地域社会への貢献』が行われました

授業関係
4月25日に、花巻市で農業法人(株式会社 耕野)を営む安藤誠二氏を講師として、第3回講義を実施しました。

 同氏が代表取締役を務める同法人は農地部門では水稲・キャベツ・スイートコーンを中心に約45haを耕作し、施設部門ではサンチュ・みつば等を2500坪の農業用ハウスで行っています。農作業受託も行う大規模複合経営を行っており、水耕栽培によるスーパー農業や直販、そして障がい者雇用と高齢者雇用での農福連携の形態でマンパワー発揮も実現し、最先端の地域農業の取り組みを行っています。
 講義は、農業をあまり意識・認識していない学生向けにまずご自身が農業に携わるきっかけ、当時そして現在の職業・生業としての「農業のイメージと現状」について分り易い解説がありました。農業の産業構造・業態の変化・変遷、農業の果たしている外部経済的な役割・価値について教示がありました。「本来であれば農家が自分で生産や販売を考えるべきであるが現状はそうはなっていない。農業の取り巻く社会、政治環境が産業全体の成長を抑制した状況にある。助成が新規就労支援に偏重し過ぎでは。農業の生産性を上げられる農地集約化が進んでいない。生産性確保の農地と生き甲斐確保の農地は分けるべき。その改善は急務!」等々の見解が示されました。農業従事者の減少と高齢化という日本の農業、農村が抱える「地域の課題」、「地域農業の課題」に対し、農業従事者確保には「ダイバーシティー」という視点が求められており、その実例として同法人が行っている農福連携(障がい者雇用と高齢者雇用)の取組につき事例紹介がありました。「地域の魅力を引き出し、新しい価値を創造する」これが安藤社長の事業姿勢です。企業理念と基本理念の紹介がありました。「農福連携等により地域住民と交流を深め、互いのハンディを認め合い、補い、助け合える社会に向けて行動すること、これが地方創生のきっかけになると思います。」と講義を結ばれました。講義後の質疑応答では、「農業従事者数と農地集約化の関係」、「新規就労の学びの場や機会」、「農福連携のアウトソーシング上の留意点」、「㈱耕野の定職率確保の工夫」等があり丁寧な回答がありました。多数の学生が、農業に対する認識と価値観を見直しました(授業レスポンスカードから)。


写真1  左:岡田学長  右:安藤社長



写真2 授業風景



写真3 授業風景



写真4 授業風景