文字サイズ
※翻訳が不十分な場合もございます。
ご了承下さい。

新着情報

『カゲツドアーズ みんなのサロン(市内リノベーション施設)』を利用してのフィールドワーク(FW)を遠藤ゼミ専門演習Ⅰ/Ⅱ合同で実施しました

授業関係
5月7日と5月11日(4~5時限通しで)に専門演習Ⅰ(3年)/専門演習Ⅱ(4年)の合同遠藤ゼミを市内旧花月堂ビルに開店した『カゲツドアーズ(オープンスペース みんなのサロン)』で行うと共に市内リノベーション物件の現物現場の利用体験フィールドワークを行いました。

 花巻市は「立地適正化計画」を活用し、市内の上町を中心にリノベーション(空き店舗、空き家スペースの改装)での中心市街地の活性化に取り組んでいます。ゼミテーマである「まちづくり」の現物をFWで確認してきました。昨年度の専門演習Ⅰで現4年生は既にFWしています(http://www.fuji-u.ac.jp/news/43296)。今回は新3年生・4年生の合同ゼミで現物利用での座学および現物施設利用体験のFWをしたものです。

 5月7日、みんなのサロンでゼミ座学(写真1)を行ない、教材は『2020年度第13回地域創生論「花巻市発展の次の一手はこれだ! 立地適正化計画のねらい」花巻市都市政策課伊藤ケイ子氏講義資料』を用い、花巻市リノベーションまちづくりのこれまでの経緯とその内容を確認しました。現物施設で臨場感を味わいながらのゼミなのでその理解には効果がありました。約1時間強の座学後、現物FWに出ました。
 まず、リノベーション物件第1号で本活動の象徴的施設であるマルカンビルに向かいました。が残念、マルカンビルの営業時間は15:00までで既に閉館(写真2)(マルカンビルは後記の様に5月11日にFW)。次に、マルカンビル向かいの災害公営住宅複合施設(旧誠山房本屋)とその奥の子育て世帯向け住宅(旧れじゃマル元ボーリング場)の現物を確認。上町通り商店街の町並みを観察しながら中央広場に移動。この広場の機能やコンセプトにつき座学内容を現物で確認(写真3)。上記の3施設はいずれも「立地適正化計画(公的資金)」で整備されたもの。リノベーションは民間主体であり、その差異/特質を学びました。
 5月11日は、前回の反省を活かし、FWはマルカンビルから開始。ラストオーダーが2時半の大食堂(6階)までマルカンビルリノベの経緯写真や寄せ書き現物を眺めながら全員で階段を上がりました。そしてまず希望者のみ名物の割り箸ソフトクリームを体験(写真4)。次の2階の花巻おもちゃ美術館(写真5)は時間の都合で入場はせず、入口から見える範囲で施設を実感(ガラス張りなので内部の一部は見えました。全てが木製のコンセプト)。それから1階テナントショップ、地下1階のスケートボード場(写真6)をFWしました。
その後、みんなのサロンに移動し座学ゼミ。その教材は『花巻市リノベーションまちづくり構想策定委員会編「HANAMAKI RENOVATION VISION BOOK」』を用い、リノベ活動の全体を復習的に学びました。座学ゼミの最後にカゲツドアーズのオーナーの佐々木江美社長様から事業コンセプトや事業へ込めた思いのお話をうかがいました(写真7)。そして最後に旧盛岡屋種店をリノベした賃貸住居物件(101、102、,201号室)をFW(写真8)して、その間取りは旧物件の構造(制限)を活かす工夫がなされている事(各部屋が個性的)を実感確認しました。
 
本FWでの学生の感想は以下の様なものでした。
・次々に新しいものを作っていくだけだと、今まで作ってきたものが古くなって危険になったり、空き家になったりしてしまう。この事業のように古いモノや空き家を新しくし、より良いものに変化させるのは良いことだ。そうすることによって住民が暮らしやすく、環境にも配慮した生活を送ることができるようになると思う。
・FWや座学を通してリノベ関係者の「花巻の為に何かをしたい!」や、「花巻の街をより良くしたい!」といった熱意を感じた。今回FWした施設や物件もそうですが、花巻市には既に人を集約する機能が出来上がりつつあるが、それには、やはり、リノベーションビジョンブックにもあるように、多様ななりわいや新事業の創出が大切だと思った。
・中央広場は目にはしていたが訪れたのは今回が初だった。しっかりと整備されていて、清潔感がある広場と感じた。広場の背景の奥の右上の方にある元料亭と横にある廃屋もなんとかするとさらに良い景観になると思った。
・いつもと違った環境でのゼミは新鮮で良かった。
・昔ながらのもの(マルカンビル)を大切にするのは良い。その町にしかない特有のものは宣伝や誇りにつながる。地下スペースを使い新しいもの(スケボー場)をつくるのも良い。
・みんなのトイレや自由に使えるスペース等ガケツドアーズの施設は住民のニーズへの対応が考えられている。花巻らしさを感じた。
・利用されなくなった建物をもう一度利用して街を復活させるという取組はとても良い。
・リノベーション物件がこんなにも綺麗にして使われていることに驚いた。
・リノベーションまちづくりにより、既に行動を起こした人とこれから何かをしようとしている人たちとの目指しているものが同じであるため、新しい人たちが行動を起こしやすい環境になっていると感じた。新たな施設や公共の場に住む人達が気軽に立ち寄れる。その地域ならではの取り組みになっていると感じた。
・中央広場には、コンクリートの滑り台やボルダリングスペースなど私の故郷の町の公園や空き地にはないものが有った。空き地がボルダリングなどの綺麗な新しいスペースに昇華しているところが最も良いリノベーションだと思った。
・一度閉店したマルカン大食堂を復活したのは凄いことだ。リノベーションによるまちづくりは素晴らしい。
                                  
遠藤ゼミでは今後「みんなのサロン」の有効利用、活用方法を皆で考えていきます。今回の合同ゼミはその初発でした。

写真1


写真2            写真3            写真4
  
 
写真5            写真6            写真7
  

写真8