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新着情報

第9回「地域創生論」 『SDGsが果たす役割と持続可能な地域の未来』が行われました。

授業関係
6月6日の講義は、岩手県中小企業家同友会事務局長の菊田哲氏を講師として開講されました。菊田氏は同友会活動と共に県内でもっとも当初からSDGsの啓蒙に携わった方で数多くの研修、講演や講義を行われています。SDGsに関しては第6回に朝日新聞の高橋氏の講義(URLはここから)があり学生はSDGsの基本は理解しているとの前提で含蓄のある深い内容の講義でした。
SDGsの根幹は、パラダイムシフト=大転換の行動を起こすことにある!! SDGsは環境(問題)に関するものと狭義に解釈されがちであるがそうではない。+経済+社会であり、問題(他人事)を課題(自分事)にするものである。ロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナガザの問題解決にも大転換、パラダイムシフトが必要でSDGsに直結している。世界の紛争・戦争との関連性も考えて受講して欲しいとの喚起で講義を開始されました。
 次に同友会の活動の説明があり、岩手県内全事業所の99.8%を占めるが中小企業で、うち400社が加盟している。中小企業、同会活動が持続可能な社会づくりを行っている事例紹介がありました。東日本大震災時の諸活動、陸前高田の八木澤商店の被災からの復興復活、その経営理念を「生命の存続」に変えて新たなスタートを切り実践している事例は多くの学生に感銘を与えました(授業レスポンスカードより)。
 「貧困をなくそう!」が何故1番目に上げられているのかの解説を通して、No one will be left behind(誰も取り残されない社会を実現しよう)、Transforming Our World(私たちのこれまでの生き方や考え方を変革することで世界をよくしよう)のキーワードの真意、問題は他人事とせずに自分ごとの課題として行動を起こすことの必要性の強調がありました。 
 日本と欧州の決定的な違いは、日本は帰納法的(フォアキャスト)発想と対応であり、欧州は演繹法的(バックキャスト)に対応している。パラダイム変換にはバックキャストが必要であり、ドイツを事例紹介がありました。帰納法と演繹法の対比、演繹的な行動の必要性・有効性・有用性は第6回の講義でもありましたが、それがSDGSの肝を再確認しました。
 講義のラストは、ユネスコ「学習権宣言」の『学習活動はあらゆる教育活動の中心に位置づけられ、なりゆきまかせの客体から、自分の歴史をつくる主体にかえていくものである。これは基本的人権のひとつであり、その正当性は普遍的である。』と大学での学びを学生に再認識させる言葉で講義を終了されました。
 質疑では、「フォーキャストの重要性はわかるが、将来の正確な予想はできるのか。」との問いがあり、「そういう風に帰納的に予想すること自体がアプローチとして誤りである。どういう状態・状況にしたいか、するのか。それからのスタートです。」との回答でした。「中小企業では事業承継が大問題と思うが現状はどうか。」との問いには、「20代から40代の継承者はこの激動時代を新しい発想や対応(パラダイムシフト)で乗り切ろうとしている。安心して下さい。彼らを見守ってやって下さい。」との回答でした。


写真1.左から岡田学長、菊田事務局長  写真2.授業風景
    

写真3.授業風景          写真4.授業風景